困った行動は捉え方によって対応が変わる

昨日は発達障がい応援キャラバンの講座
「二次障害について」を聞きに行った。

講師は柴田光規さん。
高津市民館での開催だったんだけど、
とにかく満員の熱気に驚いた。

本当に発達障がいについての認知が
広がっているというか、
一般的になってきたんだと思う。

困った行動は捉え方によって対応が変わる

印象に残ったことは毎度ながら
たくさんあるんだけど、

一番ハッとさせられたのはこの言葉だった。

「それは盗んだのではなく、
無断借用したのではありませんか?」

子どもがモノを盗んだ。

あってはならない、いけないことだ。

二度としないようにきつく
言って聞かせなければいけない。
罰してわからせる必要がある。

そんな風に思いがちですよね?

でも困った行動は
捉え方によって対応が変わる。

例えばそれは「盗み」でなくて
「行動の失敗」つまり「借用の失敗」と
捉えてみる。

  • 他人のものを黙って借りようとする、
    そのやり方がよくなかった
  • そもそも借りていいのもの・
    いけないものの区別がつかなかった

そう考えてみる。そうすると、、、

  • 借りていいもの・いけないものの
    区別を教える
  • 借用をうまくお願いする方法を伝える
  • 断られたときには黙って持ち去るのでなく
    別の対処ができるようにする

そういう風に「次はどうすればいいのか」
という目標が具体的になる。

この発想は、僕には新しかった。

同じくで、新鮮だった発想

同じく印象に残ったのが、
車椅子に乗った男性のイラストの上に
大きく書かれた「障がいはどこにある?」
というスライドだ。

障がいはどこにあるのか?

まあ、脚にあるんだろう。
そう思いますよね?

でも脚の機能に障害があると
考えるのは医学的な視点だ。

それよりも車椅子の前に存在する「段差」、
そこに障がいがあるのだ、と。
脚の機能にでなく、
段差という環境に障がいがある。

「個に障がいを付着させない」

と柴田さんがおっしゃっていたのも
印象的だった。

その子が悪いとしてしまうのではなく、
うまくものごとを進めるために、
その子にも動いてもらうし、こちらも動く。
つまり共に動くことが重要だ、と。

確かにその通りだと思った。

いろんな制約がある中で最適解を探す。
その必要性と重要性のことを、
改めて思った。

個に付着させない

以前も書いたけど、不登校になると
親の頭の中で子どもに
「枕詞」がつくようになる。

それまではただの忍介だったのが、
「不登校の忍介」
「学校に行っていない忍介」になる。

不登校になってしまった、
子育てが悪かった、いや学校が悪い、
自分たちは不幸だ…。

でも、そんな風に考えるのは
健康的じゃないと思う。
誰かが悪い訳でも、自分だけが
人並みはずれて不幸な訳でもない。

原因とか、解決策とかを考えるのも
あまり意味があると思えない。

まず、親が幸せになる

不登校はただ単に、
学校へ行っていないという状態そのものを
差す言葉であって、それ以上の
意味や感情を加えない方がいいと思う。

学校は行きたくなければ行かなくていいし、
学校以外の選択をしてもいい。

そしてまず、親が幸せになる。

びーんずネットで伝えたいメッセージは、
一言で言ってしまえばこれに尽きるけど、

昨日の講座も最後、
こんな言葉で締めくくられていて驚いた。

と同時に、改めて、意を強くした。

”さいごに 大人も自分をいたわりましょう”

そうなのだ。

私たちがまず幸せになると決めて
自分の人生を生きる。
自分自身が誰よりも自分を大切にする。
いたわる。

そうすることで、きっと子どもにも
変化が生まれるはずだから。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。