心配という名の期待を手放す

5年前の自分の文章を読み返して

今、制作している不登校インタビュー事例集
「雲の向こうはいつも青空」とあわせて、
「不登校日記」の冊子化を進めている。

「不登校日記」は5年前、僕が不登校に悩む間
自分の両親に宛てたメールをまとめたもので、
インタビュー事例集を購入してくれた方へ
特典として差し上げる予定だ。

簡単ではないというのが印象で、覚悟でもあります|両親へのメール(不登校31日目)

2018.02.19

このブログで公開している内容に加えて、
新しく書き下ろした前書きと後書きを付ける。

今、その最終の編集をしているのだけど、
改めて5年前の自分の文章を
何度も読み返して思うことがある。

ひと言で言うと、結局、
とことん悩む必要があったんだな、
ということだ。

なんだ。そんなことか、と思うかも知れない。

でも(僕だけかも知れないけど)
物事をしっかりとことん悩む経験って、
意外なくらい少ないと思う。

暗闇で目をこらすから逆に

「松明を消して暗闇に目をこらす」
という河合隼雄さんの話を以前書いた。

松明を消して、暗闇に目をこらす

2018.03.14

夜の大海原で進路に迷ったら、
松明をかざすのではなく、逆に消して
真っ暗闇の中で目をこらす方がいい。
そうすることで陸地の灯りがぼんやり見えて
進むべき道がわかるから、という話だ。

常識やら先入観やら、松明を全部吹き消して
まったくのゼロベースで考え直す。
迷ったときはそれが大事だと本当に思う。

親が学校に行かそうとしている限り…

以前、TVの不登校特集だったと思うけど、
あるお母さんがフリースクールの方に
こんなことを言われていたのを見た。

「お母さんがお子さんを
学校に行かそうとしている限り、
残念ながらお子さんは
学校に行くことはありませんよ」

コレ、激しく同意のコメントだった。

子どもの将来が心配だ。

心配だから、
何か自分に出来ることがないかと考える。
親としてどうしたら子どもの役に立てるか。

でも本当に皮肉なことだけど、
そう親が思っている限り、
それは子どもにも伝わるし、
そう思っている限り良い方向には動かない。

自分の経験でも思うし、
いろんな人の経験を見聞きしてもそう思う。

心配は期待の裏返し

親があれこれ心配するのが良くない、
とさえ今は思う。
つまるところ、心配は期待の裏返しなのだ。

僕に関して言えば、忍介通信7の時点で
本当に大きく考えを変えた。
それは相当苦しかったし、
結構な覚悟がいることだった。

長期戦を覚悟する|忍介通信7(不登校90日目)

2018.02.26

自分の親へのメールだから
かなりマイルドに書いているけど、
読んで頂けば自分で言うのもナンだけど、
行間にものすごく熱量の高い思いが
こもっているのはわかると思う。

大丈夫、きっとうまくいくよ、と信じて黙って見守る方が辛いです。いつになるかもわかりません。(略)
時間がかかると思います。簡単じゃないです。たぶん今の決意が揺らぐときもあると思います。
だけど、どうか僕らが挫けそうなときは応援してください。
忍介通信7

「子どもを信じること」を読んで
アイスクリーム療法を試した。
そして本気で信じて見守ることにした。

「つもり」ではなく

それまで信じて見守ってきたつもりだった。
でもそれはやっぱり「つもり」だった。
このときばかりは本気で信じて見守る、
と腹の底から決めた。

そうすると、不思議なくらい物事が動いた。

あくまでも僕らの場合でしかないのだけど、
「心配という名の期待」を手放すことの
大きさ、チカラを感じた。

そんなこんなを思い出した、
ブログ始めてちょうど一年目にして
47歳の誕生日の朝でした。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子の忍介は書字の学習障害と軽度の発達障害があり、小学三年生の時に不登校になりました(現在19歳・忍者好き)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。