できっこないを、やらなくちゃ

僕は普段テレビは見ないし、
新聞も2年前に取るのをやめた。

それでも
例の日大のアメフトの件やら、
財務次官のセクハラの件やら、
森友・加計学園関連のニュースは
嫌でも入ってくる。

この類のニュースは
はっきり言って、
見たくも聞きたくもない。

13歳の息子とロケンロールを共有する

そんな中。

うちの奥さんは
例によって心理学のセミナーで、
週末、忍介とのランチは
二人っきりのたこ焼きパーティ。

なんだかんだで盛り上がって、
僕は昼間っから
赤ワインを一本開ける勢いで飲んで、

忍介に質問されているうちに
いい気分になって、
ロケンロールについてついつい、
語り出してしまって

You tubeでいくつか映像を見せる。

で、見事にサンボマスターの
「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」
が今どきの13歳には刺さったようで。

日曜の昼下がり、
ワインとたこ焼きを肴に
You tube動画を息子と見るという
至福の時間を過ごした。

胸に刺さったアジテート

過ごしながら、なんだけど。

サンボマスターの
「できっこないをやらなくちゃ」
のライブの動画を初めて見た。

曲が始まる前に
ボーカルの彼が文字通り
オーディエンスをアジテートするんだけど、

この演説がぐっさり僕に刺さった。

忍介に見られないように
涙をこらえるのが大変だった。

吉野弘の詩もそうだけど、

このところ他人のコンテンツの紹介ばっかりで、
なんだかな、と思っているんだけど、

でもいいものはいいのだ。

シニカルに構えていた自分に目掛けて
一直線に飛んできた矢だった。

できっこないをやらなくちゃ

俺たちはできねえのか？
俺たちはできねえのか？
俺たちはなんにもできねえのか？

テレビのニュースはよお、
テレビのニュースはな、
テレビのニュースは毎日、
俺たちはなんにもできねえって言う。

テレビのニュースはな、
なんだかわかんねえ
なんだかわかんねえ記号ばっかもって
俺たちのこと
不安にさせたかと思うとな、

不安にさせたかと思うと
それが大丈夫ですって言う。

つまり俺たちはなんにもできねえって
言われてるみてえな気になる。
俺たちはなんにもできねえって
毎日言われてる気になる。

なんだかわかんねえけど、
不安になっちまう。

無理もねえことだ。

だけど俺たち、
本当になんにもできねえのか？

いろんな奴が言う。

なんにもできねえよって。
君らじゃなんにもできねえよ、
っていろんな奴が言う。

本当になんにもできねえのか？

できることあんでねえかって思ってる。
俺はできることあんでねえかって思ってる。
君たちだってあんじゃねえかって思ってる。

たかだかロックンロールだって言われても
たかだかロックンロールだよって言われても

俺達にはロックンロールがあるって
本当は思ってる。
ロックンロールがあって、
音楽があって
なんかやれば、
なんか変わるんじゃねえかって思ってる。

少なくとも身近なことは
世界が変わるんじゃねえかと思ってる。

身近な世界が変われば
ちょっとずついい方に
向かうんじゃねえかって思ってる。

いい方に向かって欲しいって思ってる。

悪い方向に向かって欲しい
なんて思う奴は誰もいねえ。
いい方に向かって欲しいって思ってる。

だから俺はできるって思う。
俺はできるって信じる。

君も信じてるかい？
できるって信じるかい？

やるんだよ。
やるんだよ。やるんだよ！
ロックンロールをやるんだよ！

最後の曲、
できっこないをやらなくちゃ！

サンボマスター『できっこないをやらなくちゃ』