書き出した方がいい

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朝起きるとリビングで我が家の15歳が
iPadと教科書を開いている。

「ねえお父さん、円周ってどういうこと?」

聞くとどうやら球の体積と円周が
頭の中でごっちゃになっているらしい。

僕の肩こりほぐし用のボールに、
輪ゴムを巻きつけて円周を説明する。

やっと納得の忍介。

続いて「指数法則」を聞かれる。

そんなん、もう覚えてないよー。

でも指数の部分が
足し算になることはわかる。
仮にxに小さな数字、例えば2とかを
代入すれば……と書き出してみて説明する。

「なんでそんな、わざわざ書き出すの?」

「お父さんアインシュタインじゃないから、
書き出さないとわかんないんだよ」

「紙がもったいなくない?」

「いや、もったいなくないでしょ!」

もったいなくないでしょ。断じて。

「忍介も紙に書き出した方がいいよ。
頭の中で考えていることって、
意外にわかってないこと多いし。

映画やドラマでさ、天才数学者たちもホレ、
みんな考えながら黒板に書き出すだろ?」

「そうなんだ……。僕書くの苦手だから」

確かに。書字障害。書くの苦手だよね。

それでも頭の中でぐるぐる回すよりは、
書き出した方がいい。そう思った。

言いながら――。

頭の中で考えていることって、
意外にわかってないことが多い。
頭の中でぐるぐる回すよりは、
書き出した方がいい。

これは僕が毎日ブログを書く理由かな、
とも思った。

思い返せば。

僕も若い頃――特に忍介くらいの歳には
「文章? そんなもん結論まで
全部考えてから書くべきもんでしょ?」
と思ってた。

「書きながら考える」

ということのイメージができなかった。

今はできる。

現にこうして、どういう結論かを考えず、
思ったこと・感じたことを日々、
キーボードにパタパタ叩いている。

それも悪くないものだよ、ジュンイチくん。

と、かつての自分に向けて。

Write it down, Make it happen.

そんなタイトルの本もあったな。

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。