静岡マラソン2024完走記

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※注意:長文です。お時間あるときにどうぞ。

 

つい、欲張ってしまった。

Cブロックの先頭に
1時間前から並んだのだけど、、、

それでも号砲が鳴ってから
スタートラインを越えるまで、
1分59秒もかかった。

号砲が鳴ってからゴールするまでのタイム、
それが「グロスタイム」で、
スタートラインを超えてから
ゴールするまでのタイム、
それが「ネットタイム」だ。

走っている正味のタイムがネットだけど、
公式記録としてはグロスが採用される。

ランナーズアップデートに出るのも、
もちろんグロスタイムだ。

せっかくだからグロスでサブ3.5目指そう。

そう思って2分、詰める作戦に出た。

いつもの1キロ5分ではなく
1キロ4分50秒を切る、を目安に走った。

調子は悪くない

18kmと19kmのラップは
4分42秒にまで上がる。

文字通りイケイケだ。

ハーフを超えた時点できっかり2分、
スタート時のロスを詰めることが出来た。

でも思えばそれが敗因だった。

「1キロで10秒や20秒速いだけ」

あなたはそう思うかも知れない。

確かに100mにしたら1秒か2秒の違いだ。

でも10km20kmと積み重なると、
これがバカにならないダメージにつながる。

これまできっかり1キロ5分で
30km走を積み上げてきた。

キロ5分なら30kmまでは安泰だ。

「ちょっとぐらい大丈夫」
「レースのアドレナリンもあるし」
「仕上がりバッチリだから」

そう思って「少しだけ」飛ばした。

でも自分の身体のことだから、
どうしてもわかってしまう。

この「少しだけ」は大きく響いた

ハーフを過ぎた時点で、
実はもう完全に敗色は濃厚だった。

ぜんぜん身体が動かなくなっていた。

脚のバネはきかない。
ペースを保つので精一杯。
なんなら息も切れそうになる。

マラソンの、いつもお馴染みの
「負けパターン」がどんどん出てくる。

「まだあと半分、残っているのに……」

25kmまではなんとかペースを維持した。

でも26kmのラップで
初めて5分を超えてしまう。

続く27kmのラップは
かろうじて4分59秒に立て直した。

でも28kmのラップは再度、
5分18秒にまで落ちてしまう。

限界だった。
ポキっと心が折れる音がした。

苦しい。

「もう歩いちゃおうかな……」

悪魔の囁きがする。

復活のきっかけ

そんな僕の目の前を大きく
「3.5」という数字が書かれた
黒いTシャツが追い抜いていった。

「Break through your limits 3.5」

背中にそう書かれている。
彼もサブ3.5を狙って走っているのだ。

思わず吸い寄せられるように
その背中について走り出した。

そのときだった。

「ジュンイチさん!」

と声がする。
空耳かと思ったけど、違った。

「ジュンイチさん、がんばって」

声のする方を振り返るとナント!

静岡のお散歩会に参加された方が
大きく僕に向かって手を振っている。

「ありがとう!!!!!」

いや、ものすごく嬉しかった。
まさか本当に沿道に来て
応援してくださるなんて!

Iさん、本当にありがとうございました。

感動でみぞおちの辺りがあたたまる。

にんげん、単純なもので、
折れかかった心が見事にくっついた。

Break through your limitsに付いて、
また以前のペースで走り出す。

ついに力尽きる

ただ、そうやって気力で走れる距離にも
やっぱりどうしても限界はあって――。

残念ながら32kmの地点で力尽きた。

たまらず路肩に寄って、
膝に手をついて立ち止まる。

Break through your limitsの背中が
見る見るうちに遠ざかっていく。

その時点でネットでは2時間37分だった。

残りは10km。

キロ5ジャストで走れば50分ちょい。
ネットでぎりぎりサブ3.5は間に合う算段だ。

でもおそらく無理だろう。
なんせ走れなくて立ち止まっているのだ。

走ろうとしても、
もう亀歩きのスピードしか出ない。

悔しくて、悔しくて、たまらない。

それでも亀歩き走りを続けた。

自分を応援してくれる人がいる。
そう思うからこそだ。

必死に二本の脚を交互に出し続けた。

そして不思議なもので、気づけば

38kmを過ぎると俄然、身体に力が戻った。

きっと35km地点で食べたアンパンと
エナジージェルが如実に効いたのだろう。

脚はボロボロだ。
でもキロ5ペースのスピードが出る。

「まだ行ける」「諦めるな」

心に希望の光が灯る。

40kmの青い計測マットを踏むとき。

「3時間18分台ならまだ目がある」

そう思っていたのだけど、ああ!!

40kmの時点で3時間20分台だった。

キロ5で走れば残り2km=10分、
ではない。

最後のあの余計な忌々しい195mがある。

だから3時間半はもう切れない。
負けが完全に確定した瞬間だった。

でも身体は俄然動いている。

僕のセカンドベストは
ネットで3時間32分12秒だ。

「それを切ろう」

そう思って疾走に切り替えた。

ゴールへ

最後の最後、エスパルスのサンバ隊が
ズンチャカと盛大に応援してくれる。

42kmを超えて最後の直線、
鈴なりの人垣の中――。

半分泣きそうになりながら、息せき切って
全力で走る52歳のおっさんの図を演出した。

ゴール。

グロスで3時間33分20秒。
ネットでは3時間31分21秒。

3時間半、42kmも走ってきて、だ。

こんなにも長い時間、
長い距離を走ってきて、だ。

このたったの、たったの、
たったの1分21秒、つまり
たったの81秒が詰められなかった。

正直、悔しさしかない。

グロスでサブ3.5という、
アホな見栄さえ張らなければ、
ネットでならきっと行けたはずだと思う。

そう思えばこそ――。

逃した魚は大きい。

でもね、だからこそね。
つまらなくて面白いんだよなマラソンって。

一応、セカンドベストは更新したけど、、、

正直、振り出しに戻った気持ちだ。

あと9ヶ月かけて、
またしっかり準備して走ろう。

待ってろ、湘南国際マラソン2024。

長文お読みいただき、
ありがとうございました。

ああ、悔し!

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子の忍介は書字の学習障害と軽度の発達障害があり、小学三年生の時に不登校になりました(現在19歳・忍者好き)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。