肩の力を抜いて、手放してみませんか?

金切り声で怒る母親

昨日、夕暮れの路上。

イガグリ頭のマルコメ君に向かって、
金切り声で怒る若い母親がいた。

どうして言うことを聞けないのッ!
なんでいっつも聞けないのよぉぉッ!

我を忘れて怒っていた。

そしてマルコメ君は、
過呼吸になりながら泣いていた。

泣きながら息ができない。
お母さんが怖すぎて、
謝ろうにも涙と過呼吸のせいで
どうしても言葉にならない。

胸が痛かった。
母親を止めたい、と思った。

でもあの場では
止めても無駄だろうとも思った。
そしてドライな都市生活者として、
クールに通り過ぎた。

大きな声で言えば伝わる訳ではない

忍介が4歳くらいの頃だったろうか?

理由は忘れた。
でも僕もあの母親のように
我を忘れて忍介を叱ったことがある。

おい、忍介、分かってるのかッ!
え?本当に分かってるのかよッ!

両腕をつかんで揺さぶりながら怒鳴った。

でも、衝撃だったことに
そのとき忍介はなんと、
薄ら笑いを浮かべたのだ。

そして気づいた。

ああ、僕の怒りはぜんぜん
彼には届いてないのだ、と。

お父さんがいつもとあまりに違うので、
そのことがもはや理解できなくて
当惑してしまったんだろうと思う。

以来、注意している。

大きな声で言えば伝わる訳ではないのだ。

自分に置き換えてみればわかる。

仮に誰かに怒鳴られたとして、それで
素直に言うことを聞く気になるだろうか?

子育てはいい機会

マルコメ君の母親を見て、
かつての自分のことを思い出して、
しみじみ思った。

子育ては、
なにごとも自分の思い通りには
ならないことを知る、
とってもいい機会だなあ、と。

優秀な人ほど、そして真面目な人ほど、
人生というものを自分に引き寄せたがる。

学校ではうまく行くだろう。
会社ではうまく行くだろう。
そのことに自負も持っているだろう。

でも子育てには
そのプライドと流儀は通用しない。

子どもは子どもで、親とは別人格。
なにごとも親の思い通りにはならない。

肩の力を抜いて、手放してみる

良い親も悪い親もない。
子育てに成功も失敗もない。

子どもは親が思うよりずっと
たくましいし、大丈夫なものだ。

そこに思い至れば、
そう吹っ切れたら――

親という仕事も随分
ラクになるんだろうと思う。

昨日のお母さんに言いたい。

肩の力を抜いて、色んなことをもっと
手放してみませんか?と。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子の忍介は書字の学習障害と軽度の発達障害があり、小学三年生の時に不登校になりました(現在19歳・忍者好き)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。