一緒の方向に向かっていく

一緒の方向に向かっていく

僕が走り始めたのは、忍介に「死なないで」と言われて、20年来の悪癖を改めてからだ。

20年来の悪癖を改める

2018.02.18

何しろ、禁煙すると食事がおいしくてたまらない。

すぐに、すごい勢いで太りだした。

ダイエットから始めたランニング

まず顔の輪郭がなくなり、次にベルトが不要になり、あとはウェストのボタンが閉まらなくなるのはもう時間の問題、

このままだと、すべての服を買い直す羽目になる!

でもそんな手間も予算もかけたくなかった。

でダイエットを始めた。

ビールを止めて、ワインに変えた。

白米を食べるのをやめた。

そして、ランニングシューズを買って走り始めた。

本当に、仕方なく。

ランニングの楽しさに目覚める

ところが!

走り始めて気がついた。走るのって気持ちがいいんだ、と。

 

僕は野球部だったので、走ることは「懲罰」だった。

うさぎ跳びと同じで、全力疾走のベースランニングとかグランド10周とか、走ることは常に苦痛だった。

でもゆっくりジョギングで走れば違う。

これ、本当に知らない人が多くてみんな驚くんだけど、本当に心地いい。

そして徐々に長い距離を走るようになった。

 

長い距離を走れるようになると目に入ってくるのは、マラソンの記事や雑誌で。

試しに10kmのレースに申し込む。

ヨーイどん!でみんなと一緒に走る。

晩秋の丹沢湖の爽やかな空気の中で、走って汗かいて。終わって駅前の焼肉屋で生ビール飲んでカルビを食べたら、とびきり美味しい。

そうして走ることにハマった。

走っていて、嬉しいこと

他にも。

自分が走るようになって初めて気がついた嬉しいことがある。

「見知らぬ他人から応援してもらえること」だ。

マラソン大会を走っていると、沿道でいろんな人が応援してくれる。

ランナーである、というただそれだけのことで、みんなから無条件に応援される。

これが、本当に嬉しい。

 

人間、40歳も過ぎると、他人から応援されることなんて、殆どない。

業務は着実にこなして当然で、苦労してクリアしても誰も褒めても労ってもくれやしない。

ひとつ終わればさらに厳しいリンボーダンスが始まる。

毎日がその繰り返しだ。

 

でもマラソン大会は、違う。

販促物に誤植があって迷惑をかけた週末でも、そんなの関係ない。

勇敢な挑戦をしている一人の人間として認められ、励まされる。

これは本当に嬉しいし、力になる。

特に東京マラソンなんか走った日には、自分はオリンピック選手なんじゃないかと錯覚するくらい、頭がすっ飛ぶほどの応援をしてもらえる。

同じ方向に向かっていく一体感

もうひとつ、マラソンのいいところは、向かい合っての対戦ではなく、全員が同じ方向に向かって走っていくところだ。

並んで一緒に走るランナーたちは敵ではなく、遥かなゴールをともに目指す同志だ。

ランナー同士、時に励まし合いながら一緒の方角に走っていく。

実に平和な競技だ。

***

僕はかつて野球少年だったから、忍介とキャッチボールをするのが夢だったんだけど、

斜視が関係しているのか、単に球技が向かないのか、忍介はキャッチボールがからきしダメで、残念ながらほとんどしなかった。

そのかわりと言ってはナンだけど、小学校3年生のあの不登校の時期にも、月例のマラソン大会だけは欠かさず一緒に走った。

忍介通信にも書いたとおり、忍介は結構真剣に走った。

辛い時期ではあったけど、彼と一緒の方角に向かって走るのは楽しかった。

と、なんでもマラソンに紐づけてモノを言うのが、ランナーという種族のいけないところだけど。

普段ちょっと感じられない特別な気持ち、つまり、

  • たくさんの応援をもらえて勇気づけられる。
  • みんなで一緒の方角に向かう連帯感を感じられる。
  • 大きな達成感を味わうことができる。

かように、マラソン大会を走ることのメリットは大きい。

オススメです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子の忍介は書字の学習障害と軽度の発達障害があり、小学三年生の時に不登校になりました(現在通信制高校1年生・忍者好き)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』を出版しています。