忍介が徹夜で一晩中ゲームする日が続いている。
徹夜ゲーム、結構だ。
どうぞ徹底的にやって、やって、やりまくって、出来ればついでに飽きてくれ。
隣のリビングで彼がゲームをしているんだけど、ゲームしながらスカイプで友達と話している声が響いてくる。
それがうるさくて耳障りで、目が覚めてしまうし眠れない。
WiFiの都合で、自分の部屋ではダメで、リビングでやりたいらしい。
夜中に起きるたびに静かにしてもらうように彼に言うのだけど、ずっとボソボソ隣室から一晩中声が響いているのは、やはり気分がいいものじゃない。
不登校という名のギフトなんてタイトルつけておいてナンだけど、
やっぱりこの部分「解脱」出来ていないというか、これで本当に将来大丈夫だろうか?という気持ちは大いにある。
これが例えば何かもっと別な好きなこと—例えば太宰治でも、ライトノベルでも漫画でもいいや、本を夢中になって徹夜で読むとかなら、こちらもまだ心穏やかなんだろうと思う。
もちろんゲームだって、彼にとっては「大好きで時間を忘れるくらい夢中なもの」な訳で、そこに優劣を見るのは単に親の”価値観”の問題だ。
改めて書き出してみる。
<僕の価値観(上から順に価値を感じるもの)>
①太宰治
②ライトノベル
③漫画
④ゲーム
<忍介の価値観(上から順に価値を感じるもの)>
①ゲーム
②漫画+ライトノベル+太宰治
(↑多分、僕と違ってここに優劣がない)
親が感じている優劣は、子どもにはないのだ。
その前提が違うから、親と子の意識が噛み合わない。
しかし「子どもがゲームに没頭すること」というのは、きっと親にとって一番熱くなりやすい、導火線というかチャッカマンだ。
この部分ホント、「解脱」が難しい。
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