早くイタリアンスープ作ってよ!

早くイタリアンスープ作ってよ

昨日、電車の中で。
始発駅から乗ったので座っていた。
駅に着くごとに乗客が増えて、
次第に空席が少なくなり、立つ人も増える。

そんな中、、、

「こちらでスープをお取りください」

妙に滑舌良く話す声が近づいてきて
僕の座っていたトイ面に若い女性が
どかりと座った。

20代後半くらいだろうか?

人差し指と人指し指の先端を付けて
せわしなくクルクルと回しながら
小首を傾げて虚空を見ている。

「こちらでスープをお取りください」

と言っていたかと思うと、いきなり

「早くイタリアンスープ作ってよ!
作ってよ!早く作ってよ!」

と急に高い声で言いだす。

「早くイタリアンスープ作ってよ!
作ってよ!早く作ってよ!」

車内にいる誰かに向かって
言っているのではない。
きっと彼女には見える誰かに向かって
言っているんだろう。

数回、それが続いたあと、
またもとの低く滑舌の良い

「こちらでスープをお取りください」
「こちらでスープをお取りください」

に戻る。
そして思い出したかのように

「早くイタリアンスープ作ってよ!
作ってよ!早く作ってよ!」

これを延々と繰り返す。
まるで演劇の練習でもしているみたいに。

不安の正体は何か?

あなたもときどき、こういう人を
見かけることがあると思う。

低い声でブツブツと
文句を言っているような人や、
甲高い声で中吊り広告の文字を
いちいち読み上げていく人だとか…。

正直、あまり居心地のいいものではない。
そうですよね?

でも、昨日は少し掘り下げて考えてみた。
彼らの何が、僕たちの居心地を
悪くさせているんだろう?

たぶん、、、

不安にさせられるからだと思う。

イタリアンスープの彼女は
劇団のセリフの練習ではなくて、
きっと統合失調症なんだろう。

車内の誰かに向かって
言っているんじゃないだろうとは思う。

でも、彼女がぐいっと僕の前に来て
高い声で僕に向かって

「イタリアンスープ早く作ってよ!」

と言うかもしれない。
言わないかもしれない。
それが、わからない。

予測がつかない状態であることが
人を不安な気持ちにさせるのだ。

子どもが学校に行かない。
このままだと将来が不安だ。

学校に行かないことで
被るかもしれないモノやコト。
それがどんなものだか、
予想がつかないから心配だ。

息子が不登校になった5年前、
僕が不安に思って仕方がなかったことは
そういうことだったんだなあ、と。

予想がつかない状態が人を不安にさせる

だとしたら、
予想がつく状態をちょっとだけ
思い起こしてみればいい。

電車の中のスープの彼女に関して言えば、
その時の僕に予想がついたことは

  • 僕も彼女もどこかでこの電車を降りる
  • きっともう彼女と会うことはない

ということだった。
それに、もし本当にスープを所望されたら
シンプルに断ればいい。

そして予想通り、彼女が先に降りた。
降りたホームで、彼女が夕空に向かって

「早くイタリアンスープ作ってよ!
作ってよ!早く作ってよ!」

という声が、
閉まりかけたドアの向こうから聞こえた。

・・・・・・・・・・

あなたが不安に思うこと。

それは、どういう部分で
予想がつかないことですか?

予想がつくことはどんなことですか?

もし本当に起こってしまったとき
取れる対処にはどんなことがありますか?

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子の忍介は書字の学習障害と軽度の発達障害があり、小学三年生の時に不登校になりました(現在19歳・忍者好き)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。