なんで心配なのか?

昨日は選挙だった。

忍介が三年生まで通った小学校が投票所だ。
お昼過ぎ、夫婦二人で歩いて行った。

途中、結構な坂道を登る。

背中を押して坂道を歩く

うちの奥さんが歩きながら
「背中押してくれる?」と言う。

左手を彼女の背中に当てて
押しながら歩く。

「あー、楽ちん楽ちん」

手を離すと「やっぱり楽だった。
手で押してもらえると、
電動自転車みたいだ」と言う。

ちょっとお、
いくらなんでも運動不足過ぎじゃない?

ここでつい、持論が出てしまう。

年を取って衰えていくからこそ、
ある程度のエクササイズは必要。

必ずしもランニングでなくていい。
とにかく身体を動かすこと。
それが老化防止につながる。

そして、いつか家族3人で
ホノルルマラソン走ろうよ。

3人手をつないでゴールする。
ああ、それ見果てぬ夢だなあ――

なんて言っている頃には完全に
冷めた目で見られている、という次第。

なんで心配なのか?

夕食で再度、手押し坂道登りの話をした。

「運動不足で心配なんだよ」

「なんで?なんで運動不足が心配?」

そう問われて、はたと思った。

なんで彼女の運動不足が心配なんだろう?

ここで思い立って、
親業(Parent Effectiveness Training)で
学んだ「わたしメッセージ」で
言ってみることにした。

わたしメッセージは
「自分を主語にして伝える」みたいに
お手軽に言われることがあるみたいだけど、
それはぜんぜん違う。

親業のわたしメッセージには
きちんとした構造がある。

つまり、

  1. 相手の行動が与えている、
  2. 自分への具体的な影響を、
  3. 自分がどう感じているか、

という三部構成だ。
それを、非難がましくなく、
正直に伝える、というものだ。

元気に老後を過ごしたい

考えながら、頑張って
自分が感じていることを
三部構成で言ってみた。

「夫婦で元気に
長生きしたいと思っている。

でも運動不足から
君が体調を崩すと(相手の行動)、

元気な老後を二人で過ごせなく
なるかもしれない(自分への影響)、

そう思うとすごく心配なんだよ(感情)」

言うと、ああ、そう思ってたんだね、と。
よくわかりました、と言ってもらえた。

工夫を怠らないようにしたい

うちの奥さんとしては、僕に
運動不足を責められている気がした、と。

でも元気な老後を二人で過ごしたい、
そういう思いから心配していたのか、
ということがよくわかった、との由。

あー、ハイハイ、
夫婦仲良くご馳走様でした、って?

えーっと、その自慢じゃないんです。

三部構成のわたしメッセージの
効用を伝えたかったんです。

ホント、ちょっとしたことかも知れない。

でも組み立てが大事なんだよなあ、
伝わる・伝わらないのって。

その工夫を怠らないように
したいものだと、改めて。

親業について詳しくはこちら
https://ftk-gift.com/category/parparent-effectiveness-training/

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2 件のコメント

  • おはようございます。
    >「運動不足で心配なんだよ」
    >「なんで?なんで運動不足が心配?」
    面白いポイントですよね。

    わたしメッセージ は私はよく知らないのですが、
    子どもにいろいろ干渉してしまう親の場合も同じ感じで不安を持ちますね。

    不安と、自分が一体化してしまって、不安な思いに違和感がもてなくて
    不安を持っていることは当然、自然、正しい、当たり前
    なので、目の前の子どもや相手の状況に関わろう、変えよう、としますよね。
    でも、その前に、なんで不安なんだろう、と、不安と距離が取れたら
    不安に飲み込まれていることに気がつけば、それだけでだいぶ感じは変わります。

    相手ではなく、自分の問題じゃないかな、とか。

    いろんな例えが可能でしょうけど、サングラスをかけていて
    でも気がついていなくて、暗いから電気をつけようとしているような感じでしょうか

    • 田中先生、コメントありがとうございます。
      サングラスの例え、とても分かりやすいです。そのことに気づけたら、なんで暗く感じているのかが分かりますよね。
      不安や心配を感じたら、出来るだけ立ち止まってその理由を具体的に考えるようにしたい、と思います。
      言うほど簡単じゃないことかも知れませんが…。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。