失敗して初めて骨身にしみる

車輪付きの椅子にご用心

高校生の頃だったろうか?
友人数人と牛丼屋に行った。

カウンターに並んで待っていたら、
僕の丼だけがすぐに来た。
そのまま食べ始めていたら、
何か空気がおかしい。

隣にいた友人が、
少し言いにくそうに僕に言う。

「お前さ、普通
他の人のが揃うまで待つだろ?」

え?
そうなの?

それがマナーだとは知らなかった。

同じ頃だったと思う。

パンを食べる時には、
ちぎって食べるのがマナーだと知った。

家では母親がまるで
コンパクトディスクを入れるみたいに、
食パンを直接口に持っていって
食べているのを見ていたから驚いた。

何でそういうの、教えてくれないんだよ?

母親に対してそう思った。
そして、それを指摘しようと思った。

親戚の集まりで行った
ちょっと高級なレストラン。

みんなのが揃うまで
食べないのがマナーなんだぜ。

母が他の人より先に食べようものなら
真っ先に指摘しようと思っていた。

でも彼女は
他の人のが揃うまで皿に手をつけなかった。

そしてパンも、いつものように
ダイレクトに口に入れるのでなく、
丁寧にちぎって食べていた。

もちろん、ちゃんと知っているのだ。
家と外とを使い分けている。

後でこのことを指摘したら
母が笑ってこう言ったのを覚えている。

「あ、そう?良かったじゃない。
人間、恥かいたり失敗したら忘れないよね」

「いや、だから事前にそういうの、
教えてほしかったんだよ」

「もしお母さんが教えたら覚えた?」

教えられたら覚えたか?

うーん、、、
これは確かになあ、と思った。

車輪付き椅子にご用心

昨日の朝のこと。本を探していた。

小さな書斎コーナーに
机と椅子があって
本棚はその上、天井までの
作り付けになっている。

上の方のものは椅子に乗らないと
手が届かない。

以前、忍介がこの車輪付きの椅子を
遊び半分で乗り物がわりにするのを
散々注意してきたくせに、

他の椅子を持ってくるのが面倒臭いので、
天井近くの本を探すときには、
この車輪付き椅子の上に立って探している。

昨日もそうしていた。
そして天罰がくだった。

本棚の桟を掴んで
右へ左へしているうちに、
慣性の法則が盛大に働いて
見事に椅子がひっくり返った。

机の角に腰をしたたかに打ち付けた。
なにしろ全体重が腰にかかったので、
それはそれは痛かった。

5分間くらい、
文字通り呻くことしかできなかった。

失敗して初めて骨身にしみる

うちの母の哲学じゃないけど、
親が先回りして心配して
あれこれ教え諭したとしても、
最後は本人が自覚するかどうかだ。

そして人間、痛い目にあわないと
本当の意味で気をつけるようにならない。

失敗して初めて骨身にしみる、

ということを改めて、
身を以て思い知った。

「ねえ、大丈夫?
病院行った方がいいんじゃない?」

僕の一人転倒劇を見ていた忍介が
気遣ってくれた後、こうも言った。

「お父さんさ、いつも僕に言ってたよね。
その椅子おもちゃにするな。危ないぞって」

言った。
確かに、言い続けてきた。

まさに今年最大のブーメランだった。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子の忍介は書字の学習障害と軽度の発達障害があり、小学三年生の時に不登校になりました(現在通信制高校1年生・忍者好き)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』を出版しています。