その悲しみはどこに向けられているものか?

Sponsored Link

 

途中まで読んだきりで、
積ん読になっていた本だった。

ひきこもり経験者16人が各自の立場から、
自身の体験や活動について綴った文章を
まとめた本だ。

今朝早起きして、一気に最後まで読んだ。

個人的に一番圧巻だったのは
ひきこもり名人・勝山実さんの
「ひきこもり支援は誰のものか」だった。

これは、もう!

あー、うー、おー、はー、へー、

と、いちいち唸りながら読んだ。
実にその通りだと思ったし、
論理と展開も見事だった。

なので、とても要約なんかできない。

ひきこもり当事者活動人・聞風坊さんの
「安全を感じる支援を」の問答も良かった。

この本で書いてる皆さん一様にそうだけど、
「言語化すること」のお手本だと思った。

最後の泉翔さんの
「辺縁の辺縁で思ういろいろなこと」
の指摘も含め、ずっしり
読み応えがある一冊だった。

興味ある方は是非、実際に
手にとって読んでみてほしい。

色々良かったし、沢山共有したいのだけど、
個人的にひとつ挙げるとしたら――で
ここを紹介。

一般社団法人hito.toko・宮武将太さんの
「選択肢はひとつじゃない」の中の一文だ。

「うちの子が学校に行かなくて……」と涙を流すご家族が沢山います。でも、その悲しみは、「その子自身」を見ているのではなく、不登校やひきこもりという事象に向けられていないでしょうか。失礼かもしれませんが、どうしても「そんなに悲しむことなのだろうか?」と疑問に感じる場合が多いのです。親の価値観や見栄、兄弟間の比較など、子どもを見るのではなく、周りからの評価を気にしているように見えてしまいます。

その悲しみはどこに向けられているものか?

この問いは、実にシンプルで鋭いなあ、と。

不登校やひきこもりになったからといって、人生が終わるわけでもなければ、不幸だというわけでもありません。状態や事象ばかりに目が行くような「人が大事にされていない社会」には違和感を覚えます。一人ひとりの想いに耳を傾けられる社会が必要なのです。

そうだよね、としみじみ、改めて。

今日も良い1日を。

プロフィール写真

 

記事を読んで何か感じることがあれば、ぜひコメント欄にご意見やご感想をお寄せください。

更新の励みになります。バナーのクリックお願いします!

にほんブログ村 子育てブログ 不登校・ひきこもり育児へ
Sponsored Link



まず親が幸せになる|びーんずネット

不登校のセミナーやカウンセリング、インタビュー事例集をお届けする活動を夫婦でしています。ぜひご覧ください。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。