以前『わが子が不登校で教えてくれたこと』
をこのブログでも紹介したけど
二人の娘さんの不登校をきっかけに、
不登校やひきこもりに長年向き合ってきた
社会福祉士・精神保健福祉士の
野村俊幸さんの2冊目の本を読んだ。
不登校の他にも、ひきこもり、
いじめ、体罰、社会福祉まで。
子どもや若者、学校、そして家族の
問題の根底にあるものに触れられている、
とっても読み応えのある本だった。
親の疑問や悩みQ&A
中でも個人的には第2章の
「不登校にどう対処したらよいか」の
「親の疑問や悩みQ&A」がとても具体的で
内容もわかりやすくよかった。
小見出しをピックアップしてみるのだけど、
(8)「行かなくてもいい」と言ってるのに元気にならない
(9)心の底から「休んでいい」と言えない
(11)学校に行かないならせめて別の何かをしてほしい
(12)家でゴロゴロしているばかり
(17)欠席の連絡が心苦しい
(18)給食費やPTA会費をどうする?
(19)制服の準備はどうしよう?
などなど。
もう本当に「あるある!」
「わかるわかる!」の話が満載だった。
不登校生の親が通る葛藤
「別に学校行かなくてもいいよ」
そう言ってるのに、子どもは
いっこうに元気にならない。
元気になりそうな兆候も見えない。
一方、口では行かなくていいと言いつつも、
でも実は「休んでいい」とは言いたくない。
なぜ「休んでいい」と言いたくないのか?
そう言ってしまうと、ずっとそのまま
行かなくなってしまいそうだから――。
この辺りの葛藤は本当に、不登校生の親なら
誰もが通る道じゃないだろうか?
野村さんご自身も
二人の娘さんの不登校を経験しているし、
親の会やご自身の活動の中で
数々のリアルな悩みに接してきた。
だからこその、とても力強く
説得力ある内容だと思った。
まさに上にあげたような悩みがある人は、
ぜひ手にとってみてほしい。
失敗こそ財産
例によって例のごとく、読んでる中で
折りすぎたページが多すぎて、
どこを紹介するか迷ってしまうのだけど、
読了直後の今の気分としては第5章
「社会福祉相談援助の理論と実践を活かす」
のこの部分を紹介したいかな。
「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない」という故事・諺通りです。周りの大人は、その子が自己決定できるようにしっかりサポートするのがその役目だと思います。
もちろん、自己決定して進んだ道がうまく行かない場合も多いでしょう。しかし、失敗こそ財産です。「だから言ったでしょう」と決して口にしないでください。貴重な経験をしたことをねぎらい、それを次のステップにできるよう支えて行くことが、支援者はもちろん、親にとっても大きな役割だと思います。
失敗こそ財産で貴重な経験をねぎらう――。
これは本当に胸に刻んでおきたい。
「だから言ったでしょ?」
ついね、コレ本当に言いがちだよね、
親という種族は特にね。
でもそれを言ったところで、
実際どうなるよ、と。
そう言うあなたのドヤ顔以外、
誰も得をしないよね、と。
失敗を次のステップにできるよう、
支えていく。
できればそうありたいものですよね。
今日も良い1日を。
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