自分自身を支える大きな力となる

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義務教育期間中とはまた別の部分で厄介だ。

高校に進学してからの不登校だ。

このままでは確実に留年になる。

親は通信制高校への転校を勧めてみる。
すると、本人は不機嫌になって黙る。

「明日は行くから」

そう言うものの、結局行けない。

同級生と同じタイミングで
卒業できるように、こうなったら
1日でも早く転校したほうがいい。

そう親はやきもきする。

でも子どもは気持ちを切り替えられない。
努力して進学した高校だからなおさらだ。

「こんなはずじゃなかった」
「まだやり直せるんじゃないか」

本人はそう思うからこそ、
別の道が考えられない。

明日は行こう、
そう思ったけど無理だった。

留年しないようにこの授業だけは出よう、
そう思ったけど無理だった。

留年して4月からやり直そう、
そう思ったけど無理だった。

そういうあきらめをいくつも重ねて、
ようやくこの学校では無理だという
辛い現実を認めざるを得ない子ども。

昨日紹介した♪あんだんて♪の新刊、
『不登校あるある』のあるある49番目、
「転校を決めるタイミングがわからない」
の話だ。

50個あるこの本の「あるある」は
どれも本当に良かった。

ただ個人的にはこの一節が一番響いた。

苦しんで何度も落ち込む子どもの姿を見ているとたまらない気持ちになりますが、無理やり転校させるわけにもいかず、そのときの子どもの思いを尊重してやることしかできません。親も子も辛い時間ですが、自分の人生を自分で引き受けるという覚悟をつける大切な時間でもあると思います。「こうでなくてはダメだ、もうおしまいだと思っていたら、まだほかにも道はあった」という経験は、今後また困難な状況に陥ったときに、自分自身を支える大きな力となるのではないかと思います。

自分の人生を自分で引き受ける、
その覚悟をつける大切な時間。

こうじゃなきゃダメだ、もうおしまいだ。

でも実はまだ他にも道があったという経験は
今後、同じく困難な状況に陥ったときに
自分自身を支える大きな力になる――。

なんだかね。

息子と歳が近い話だし、状況的にも今、
彼が無所属新人だからかもしれないけど。

グッと胸に入ってくる話だった。

そんな「あるある」が50個ある本です。

よろしければぜひ。

大丈夫マイフレンド。

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。