これまで本はたくさん読んできたけれど、
「読むのが辛かった本」
というのはこの一冊だけだった。
僕は人には本を薦めるくせに、
人に薦められた本は滅多に読まない。
ただ、このときだけは読んだ。
小3だった息子が不登校になって、
何ヶ月もずっとひきこもっていて、
にっちもさっちも行かなくなって、
挙句の果てに本人の前で夫婦喧嘩までして、
もうどうしたらいいか途方に暮れたからだ。
朝、出勤する間際、うちの奥さんから
「これよかったら読んでみて」と渡された。
衝撃的な内容だった。
自分の子育てをことごとく
否定された気がして、読むのは苦しかった。
でもがんばって読み通した。
読み終わったときにはもう、息子を
「学校に行ける子」
に変えるのはやめようと思った。
変わるべきは彼じゃない。
自分の方なのだ、と思った。
って思い返すと懐かしいな。笑
いろんなところでこうやって
書いたり話したりしているので、
「『子どもを信じること』読みましたよ」
「今、まさに読んでます」
というコメントをいただくことも多い。
不登校も子育ても関係なく、たくさんの人に
読んでもらいたい名著だと思う。
前置きが長くなった。
その著者の医師・臨床心理士の
田中茂樹先生をゲストにお迎えしての
オンラインセミナーを、来月開催します。
先行してオフラインサロン会員の
みなさんには先週案内したのだけど、
すでにもう定員の半分が埋まっている。
びーんずネットのサイトの方にも
今日にでも情報UPする予定だけど、
多分満席になると思うので、
ご興味ある方はお早めに。
お申し込みはこちらから。
今日も良い1日を。
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今回もよろしくおねがいします。
発達障害と言われる子が増えたとよく言われていました。しかし、人間の遺伝子が短期間に変化したわけではないですよね。
ということは、もともとそういう素質は人に、子どもたちに、そなわっていたはず。でも、社会に余裕がなくて、画一的な教育と、育児感、価値観で育てていた頃は、個性が外に現れてくるのが難しかった。同じ番組を見て、ヒット曲はみんなが知っている。そういうころは、つらくても、自分に合わないと感じても、みなと同じにする(なる)しかなかった。それが、良い意味で緩んできて、ようやく いろいろな子どもであってもいいという空気が育って、昔の価値観からすると 変わった子 が増えた。昔の抑えつける従わせる方法では教えにくいと感じる先生たちからは困った子どもということになる。でも、変わるべきは教育の方法なのだと思う。
同じように、たとえば、敏感な子、やさしい子も増えたと言われますね。それも似た構造があるのではないかと。
子どもが変わったのではなくて、子どもをとりまく環境が変わった。だから、本来は備わっていて、出てくることができなかった特性が、出てくるようになった。昔のように、大家族で、兄弟がたくさんいて、大人は忙しく、学校でも 子どもはこうだろ、と雑にじっぱひとからげに扱われていた頃は、ステレオタイプな子どものイメージがあった。そういうときに現れることができなかった特性が、今、現れ出しているのかもしれません。子育てをする親の年齢も昔よりも高くなっている。その分余裕もある。兄弟は少なくなっている。
これは、単純に、良いとか、悪いとか、ではないのはもちろんです。
昔のように、祖父母も同居していて、近所にたくさん親戚がいて従兄弟がいて、いろいろな行事でコミュニティのかかわりもあって。そういうころは、子どもがうけとる社会的な影響は多彩だったはず。それが、大きく変わった。祖父母や従兄弟とはたまに会うだけ、近所の人との関わりも希薄。そのような変化が、子どもの育ち方に当然影響する。表情や声の大きさや、コミュニケーションのスキルも。
昔がいいとか、悪いとか、でこれを捉えると、うまくいかないと思います。
なにはともあれ、世の中はそう変わってきている。それに合わせて、人間の成長の仕方も変わってきている。
人間の適応する力を信じれば、自分が子どもの頃とは違うように子どもが育っても、そのことに(前向きな、適応の)意味があるかもしれないと思える。すると見え方が変わってくると思うんです。
そんなことも議論できたらいいと思ってます。
田中先生、コメントありがとうございます!
そうですね、変わったのは子どもではなく、とりまく環境が変わった、なので特性が認識しやすくなっている――というのは、本当にそうだと思います。良いか悪いかでないですね。
セミナーでのお話も楽しみにしています。よろしくお願いします。