嬉しかった記者さんの視点
先週夫婦で受けた取材が掲載された。
昨日の東京新聞の朝刊。
記者の石川さんは
セミナーのチラシを見たたときに、
不登校に「本当の」という一言が
ついていることにドキッとさせられた、
自分が「こうあるべきだ」という概念に
囚われているかも知れないと思った、
とおっしゃってくださっていたのだけど、
それがとっても嬉しかった。
そうなのだ。
学校へ戻ることが唯一の解決という根強い意識へのアンチテーゼとして、「本当の」という表現をセミナー名に盛り込んだ。
アレコレうんうん100案くらい考えて、
練りに練って決めたタイトルなんだけど、
込めた思いをこうしてわかりやすく
形にして書いていただけると、
本当に気持ちよくて嬉しい。
親は孤独に悩む
取材は基本的にうちの奥さんが答えたけど、
僕の発言も一言拾っていただいた。
その補足という訳じゃないんだけど、
少しだけ。
今回こうして改めて取材を受けて
自分たちの場合を振り返ったのだけど、
思い返せばほぼ、
忍介が不登校だったことは
他人には話さなかった。
話せなかったなあ、と。
ちょうど忍介通信6と7の間に
出張でフランスに行った。
一番悩みが深かった時期だ。
得意先も一緒なのに
現地で風邪を引いてしまったりと
散々な出張だったのだけど、
体調も回復して帰りの飛行機を待つ
空港のラウンジでビールを飲む中で、
息子が学校に行っていないことを話した。
思えば家族以外の人に
不登校を話したのは初めてだった。
でも僕の話し方が良くなかったんだけど、
イジメの問題みたいな風に伝わってしまい、
いじめは本当に良くないよね、
みたいになってしまって
でもそういうんじゃないんだよなあ…
益々話しにくくなって、すぐに話を畳んだ。
遠いどこかの、見知らぬ誰かの問題
そのことを残念に思っているんじゃない。
ただ、思ったのはやっぱり気持ちは
通じないなあ、ということだった。
仕方ないことだと思う。
僕だって忍介が不登校になる前は、
不登校は「遠いどこかの、
見知らぬ誰かの問題」だったのだから。
不登校ということを受け入れることも、
認めることも、いや、
不登校という言葉を他人に対して
口にするのも憚られた。
こればっかりは、経験してみて初めて
骨身に沁みることだと思う。
今や毎日、不登校不登校と
こうして書いて口にして
明るく笑い飛ばしているけど
(それは言い過ぎか)
当時はやっぱりそうじゃなかった。
ひっそり、でも深く悩んでいた。
同じ気持ちを持つ人に話す
だから今こうして明るく
話せるようになったからこそ、
今ひっそり悩んでいる人に言いたい。
同じ気持ちを持つ人に話すと通じるし、
同じ気持ちを持つ人に話した方がいい。
僕ら夫婦は誰にも話さず
ひっそり悩み苦しんできたけれど、
夫婦でお互いとことん話し合えたから
何とかできた。
でも夫婦でなくても、話せる場があれば
思い切って行って話してみるといいと思う。
同じ気持ちを持つ人に話す。
気持ちが通じる人に話す。
そうすることできっとびっくりするくらい、
心が軽くなると思うから。
「本当の」不登校の話をしよう、
みんなで考えよう、
というのが土曜日のセミナーだ。
まだほんの少しだけ残席があるけど、
状況によって今日にも締切るかも知れない。
なので、もしあなたが
参加を迷っているのなら、
すぐにでも申し込みを。
遠方で来られないのであれば、
ぜひお近くの不登校親の会を探して、
次回の会に参加を。
とにかく、ひっそり悩まない方がいい。
大丈夫。私たちは決して一人じゃない。
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