”競走”じゃなくて”共走”がいい

競走じゃなくて共走

週末日曜日、
初めて100kmのウルトラマラソンを走った。

柴又100k。
江戸川河川敷をえんえん、走る。
東京から埼玉を超えて茨城の五霞町まで行き、
そうして戻ってくるコース。

朝7:10にスタートして、
ゴールに辿り着いたのは夜の20:33だった。
うんざりするくらいの長旅だ。

河川敷のコースには日陰というものが一切ない。
そんな中、日曜日は気温29度という
7月中旬並みの酷暑だったので、相当辛かった。

でも走りながら
感じたこと・考えたことは山ほどあって。

例によってなんでもかんでも
マラソンに紐づけるのが
ランナーという種族のイケナイところとは
承知しているんだけど…

順位を競うものじゃない

マラソンを走らない人に
聞かれることが多い質問のひとつに
「何位だったの?」というのがある。

この”何位だったのか?”というのは、
走る身には違和感のある質問だ。

なぜなら趣味ランナーにとってのマラソンは
順位を競うものじゃないからだ。
走る人はみんな
そう思ってるんじゃないだろうか?

日曜のレースでは、
背中につけるゼッケンに
各々がメッセージを書いて走るんだけど
だれかがこんな風に書いていたのが印象的だった。

「100km、みんなで共走!」

そうなのだ。
”競走”じゃなくて”共走”なのだ。
周りのランナーはみんな、
一緒にゴールを目指す”同志”なのだ。

これだけ長い時間と距離を走る場合、

人を追い抜くことや
人に追い抜かれることは、
もうほとんど意味をなさない。

自分含め、できれば全員、
笑顔で完走してほしいと思うし、
それぞれ狙ったタイムを達成してほしい。

走りながら僕ら、
お互いのことを心からそんな風に思っている。

いやはや。
なんともピースフルな競技じゃないですか!

マラソンという競技の良いところ

だいたい、マラソンという競技はちょっと変わっている。

競走でなく共走2

審判はいない。
ズルをしようと思えばいくらでもできる。
(途中で逆方向に走り出せばいい)
でも、誰もそんなことはしない。

なぜならマラソンは
そういう競技じゃないからだ。

自分で走ると決めて、
それをやり通すかどうかも全部、自分次第。

勇敢でなければ
スタートラインに立てないし、
強くなければ走り切れない。

あまりに単純で、エラーみたいなものがない。
プレイのミスもないし、観客の口汚いヤジもない。

かわりに応援やサポートはいっぱいある。

今回、僕は運よく完走できたけど、

途中で体調を崩したり、
関門に引っかかって無念の涙を呑んだ人も、
エイドでサポートしてくれた人も、
炎天下の中、声をからして応援してくれた人も、

みんな同じ仲間だ。

そう思えるものが、ここにはあって、
僕はそれがとても好きだ。

順位じゃなくて、それぞれの走り方を応援したい

ひるがえって、
運動会の”かけっこスタイル”は
順位を決めるものだ。

一斉にヨーイドン!
誰が速いか(そして遅いか)を決める。

それが悪いと言うのでは決してない。
健全な競争は、成長のためには必要な要素だ。

でも、そればかりだと
少し息が詰まりはしないだろうか?

特に10代という多感な年代を、
学校のテストという評価軸—つまり
”かけっこスタイル”でずっと過ごすのは、
やっぱり結構なストレスだと思う。

もちろんウルトラマラソンにも制限時間や関門はある。

現実の世界にはどうしても
その種の制限はついて回るものだ。でも、

願わくば!

子どもたちが
公教育以外のスタイルや学ぶペースも自由に選べて、

サポートする大人たちも
順位だけじゃなくて、純粋に子どもの成長を
心から応援できるように、なれたらいい。

競走でなく共走3

13時間以上もトコトコと
二本の脚を交互に前に出しながら、
そんなコトを思った次第。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子の忍介は書字の学習障害と軽度の発達障害があり、小学三年生の時に不登校になりました(現在19歳・忍者好き)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。