すんなり受け取れない

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3ヶ月に一度、
歯石を取ってもらいに歯科医院に行く。

昨日も行った。

目隠しをされ、口を開け、
超音波の不快な音楽に耳をすます。

隣には耳の遠いおじいちゃんがいるらしい。

「はい、倒しますからね!」
「お口、あけてください!」

スピードは0.7倍速、音量は通常の2倍で
女性が声をかけている。

どことなく声にトゲがある。

しまいにはこんな会話になっていた。

「こっちの歯は抜かないといけません!」

「へ?」

「歯を抜く必要があります!」

「は?」

「この歯は残しておけないんです!」

「えー」

「わかりますか?歯を抜くんです!」

「ふん。そう…」

「どうします?治療しますか?」

「むふり」

「抜くんですか、どうしますか?」

「しゃーないやね」

そして僕は僕で。

クリーニングが終わった後、
先生にこう言われる。

「金子さん、磨けてませんよ」

「は?」

「歯茎も歯も減っちゃってます。
前にも言いましたよね?」

「そうでしたっけ(言われた)」

「減っちゃってるんです。
ゴシゴシこうやって磨いてますでしょ?」

「いやあ(確かにそう磨いてる)」

「あるいは力が入りすぎか」

「…なんですかね(確かに強すぎかも)」

「ちゃんと磨いてくださいね。
歯も歯茎も減り続けると、
知覚過敏ですぐしみるようになります。
いいですか?
こう(ゴシゴシ)じゃなくて、
こう(サワサワ)ですよ!」

「意識します(うるさいなあ)」

なんだろう?
期せずして隣のおじいちゃんと
似たような展開になってしまった。

3ヶ月に一度歯石を取りに
歯科医院に行くのって、まあ、面倒だ。
そんなにたくさんの人は
3ヶ月に一度は行っていないと思う。

自分で言うのもナンだけど、僕は
歯のメンテナンスの意識は高い方だと思う。

でも、いや、だからこそ――。

開口一番「磨けてませんよ」と言われると、
やっぱりそのまま受け入れられない。

隣のじいさんが何の脈絡もなく
いきなり「歯を抜きますよ」と
言われるのも同じだと思う。

ちょっとしたクッション言葉だったり、
丁寧な説明だったり。

それをぜんぶすっ飛ばして
核心ズバッと言われても、
すんなり受け取れない。

にんげんだもの。笑

そんなこんなを思った、
歯医者さんでの一幕だった。
(自戒を込めて)

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。