6年前、息子が不登校になったとき。
田中茂樹先生の
『子どもを信じること』とあわせて、
うちの奥さんが大切に読んでいた本がある。
『不登校でも子は育つー母親たち10年の証明ー』
親子支援ネットワークあんだんて:著
ずっと読もう読もう、と思いつつ
「積ん読」だったのだけど
昨日の夜、思い立って一気読みした。
ものすごく良かったので紹介。
豊富な当事者や家族の事例
親子支援ネットワークあんだんては、
我が子の不登校を経験した9人の母親が
運営するグループだ。
うちにある本の奥付を見ると、
初版第1刷2013年10月10日となっている。
まさに忍介が学校に行けなくなった秋に
発行された本だ。
「だいじょうぶ。あなたはひとりじゃない」
いきなりそんな言葉から始まるのも
ぐっと来るのだけど、
副題に「母親たち10年の証明」とある通り、
この本で一番良いのは当事者や家族の視点、
事例や証言が豊富に載っていることだ。
- きょうだいのいずれかが不登校の場合
- きょうだい共に不登校だった場合
- 一人っ子の場合
- 子どもが不登校になったときのお父さんの役割
など、第1章では細かな具体例が
たくさんあるので、きっと誰にとっても
共感できる部分があると思う。
あたたかい気持ちになれる本
第2章の「不登校の回復段階表」もいい。
こうしたロードマップがあることで、
今、トンネルのどこにいるかがわかる。
現在地がわかるのは、単純だけど
とても大切なことだ。
第3章の中学卒業後の進路のこととあわせて
「不登校のその先」の将来が
見通せる構成になっている。
「親の余裕が子どもの自己肯定感をはぐくむ」
「勉強はエネルギーが充電できてから」
「学校より社会のルールのほうが優しい」
「百のアドバイスより「しんどいんだね」の一言」
などなど。
我が子の不登校を経験した母親だからこそ、
の言葉や視点が満載で、
本当にその通りだなあ、と。
全編を通してとてもあたたかい気持ちに
なれる本だった。
「子育て」から「子育ち」へ
最後に。
どこを引用しようか迷ったのだけど、
シンプルにあとがきのこの言葉を紹介。
私たちは、我が子の不登校を通して、子どもの成長とともに親離れ子離れの道筋を自然にたどって来たように思います。親の思い通りにならない(学校に行けない)我が子を前にして、「あなたはどうしたいの?」「どう思うの?」「何ができそう?」と一つ一つていねいに聴いていくことが必要だったのですが、結果的に親のコントロールを外して、子どもの意思に任せることになっていました。いつのまにか、私たちは「子育て」ではなく子どもが主体的に育っていく「子育ち」を応援していました。
今、学校に行けなくても大丈夫!
よろしければぜひ。
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