息をするだけで稼げる仕事があればいいのに

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中2で不登校になった悠斗くん(仮名)。
昼夜逆転でオンラインゲームに没頭した。

小児科を受診したが、異常はない。
なので母親同伴で
思春期外来に来るようになった。

お母さんは悠斗くんがしている
ゲームの電源を抜いたこともある。

学校に行かないと
社会に出ても自立できない。
不登校のままだと
大人になってひきこもりになる。

思春期外来ではそう言って泣き出した。

通院を始めて1年半、結局悠斗くんは
登校することなく中学を卒業した。

進学せずひきこもってゲームの日々。

3年が経った。

ただ通院は続けていて、
最近では家事も手伝うようになった。

「息をしているだけで
お金が稼げる仕事があればいいのに」

今はそう話しているのだという。

「息をするだけで稼げたらいいのに」

というこの悠斗くんの言葉、
読んでいてハッとさせられた。

思春期外来で、子どもたちが大人になるまでの期間を診ていると、お金を稼ぐ大人になることが治療の目標ではないように思えて仕方ありません。
(中略)

本当に必要なことは、子どもたちが「このまま生きていてもいいんだ」と思える瞬間を体験できることではないでしょうか。そのような体験をするには、どう生きていけばよいのかを模索する子どもたちの思いに寄り添って、一緒になって考えてくれる人生の先輩としての大人の存在が必要です。

わたしたち大人が作り上げた社会システムは、お金を稼ぐことが大事にされて、その人の生産性に目を奪われがちです。しかし、それよりも、社会は人とのつながりで成り立っていることを忘れないようにしたいものです。

精神科医の武井明先生の言葉だ。

「お金を稼ぐ大人になることが目標」

そう言ってしまうと、まったくもって
身も蓋もない言い方だ。

でも僕らが作り上げ、維持している
「社会」って、やっぱり本当にそこに
フォーカスしすぎじゃないだろうか?

「息をするだけで
稼げる仕事があればいいのに」

悠斗くんのその言葉は、ある人には
呑気で無責任な発言に響くかもしれない。

「そんなこと言ってないで
進学するかちゃんと働けよ」と。

でも僕には痛烈な皮肉のように聞こえた。

そんなふうに子どもに思わせてちゃ、
いけないよな。

「このまま生きていてもいいんだ」

そっちにもっと目を向けなきゃな、と。

あ、単なる感想であって、
具体的にどうこうという
策やら提言やらはありませんが。笑

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子の忍介は書字の学習障害と軽度の発達障害があり、小学三年生の時に不登校になりました(現在19歳・忍者好き)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。