欲ばりな教育にサヨナラを

考えさせられた記事だった。

 Yahoo!ニュース 個人 
「欲ばり」な学校教育を続けるのか 平成の教育史を振り返る(妹尾昌俊) - Yahoo!...
https://news.yahoo.co.jp/byline/senoomasatoshi/20190419-00122699/
平成から令和へ。平成の教育史を要約すると、理念は変わらないものの、授業時数などをめぐって、右往左往。学力低下してはいけないと囚われ、週休2日になったのに、学習内容は増加。欲ばりなままでいいのか。

主体的能力、意欲、態度等を育成

例えばこの提言――。

従来の教育においては,個人の尊厳,個性の尊重,自主的精神の涵養が必ずしも十分ではなく,(中略)これからの教育は,「自由・自律の精神」,すなわち,自ら思考し,判断し,決断し,責任を取ることのできる主体的能力,意欲,態度等を育成しなければならない。

社会の変化に積極的かつ柔軟に対応していくために,(中略)とくに必要とされる資質,能力として,「創造性・考える力・表現力」の育成が重要である。

いかがですか?
まあ、その通りだと思う。異論はない。

そうですよね?

実は、この提言、1987年、昭和62年8月に臨時教育審議会(臨教審)という首相直属の審議会が出した最終答申である(当時は中曽根内閣)。

だそうです!

ちょっとびっくりじゃないですか?

診断なき改革病

平成が始まる前からこう言っていたのだ。

で、この30年でどうなったか?

著者は「診断なき改革病」という
言葉を使っているけど、

いわいる「ゆとり教育」を行った結果、
学力低下を招いたとしてゆとり教育に対する
社会的批判が高まり、あっさり撤回。

加えて2002年に実施となった学校週5日制。

考えてみれば、
僕らの世代が週6日でやっていたことを、
今の子は週5日でやっているのだ。

そりゃあ、子どもたちも先生も
パツパツになるよな、と。

そのくせ欲ばり

でも、

●授業時数は減らさない。
●主体的で深い学びになるよう質は上げよ。
●教科指導以外の仕事、生徒指導や部活動指導、進路指導も、教師がしっかりせよ。
●悩み多い保護者等からの相談を軽くあしらうのもNG。
●学校の安全管理、事故防止、危機管理は徹底せよ。
●いじめ対策、児童虐待のサイン等にはこれまで以上に気をつけろ。

などなど。平成を通じて、学校、教師に対して、ぼくたちはずっと「欲ばり」でいたし、とりわけ新指導要領のもと、その傾向は一層強まっている。

こうして指摘してもらえると
本当にわかりやすい。

欲ばり、というのは確かにそうだ。

子どもも先生も疲弊しているのに、
昔よりずっと親や社会が学校に対して
欲ばりになっていると思う。

僕らは根本的にものごとを
見直す必要があるんじゃないだろうか?

素人なりの僕の案

どうやって?
ということについては僕は素人だ。

でも自らの経験を含めて思うのは、
サインコサインや元素記号を
「全員が同じタイミングで学ぶ必要」
が本当にあるか、ということだ。

僕のざっくりの案は2つだ。

まずひとつめ。

好きな教科を、選んで学べばいい。
つまり、大学のような単位制にする。

今でも思うのだけど、
興味が1ミリも無い教科、
例えば僕の場合は数学や物理が
そうだったんだけど、それを学ぶ必要が
本当にあったのだろうか、と。

あの苦痛な時間の意味は
「勉強は面白くない」
ということを教えられただけな気がする。

全員が満遍なく広く浅く学ぶのでなく、
各自が好きな教科を選んで深く学ぶ。

もうひとつはみんな同じペースで学ぶ、
のをやめる。
みんな同じ、平等、という幻想をやめる。

学びは人それぞれのペースでいい。
つまり、異年齢ミックスにする。

だいいち同じ年齢の子が何十人も
毎日小さな教室という場所にいるから、
子どもたち同士で比較が生まれる。
いじめも生まれる。

だからそれをやめる。

だって、同じ年齢の子を一箇所に
集めることの意味って、
「教える側の効率」でしかないのだから。

お題目だけじゃなくて、
「仕組み」を根本的に見直さないと
変わらないと思う。

なんて、熱くなってしまった。笑

親や社会の側に覚悟が必要

多分、単位制やら異年齢ミックスが
いかに簡単じゃないかというのは、
現場や専門家からの指摘は沢山あるだろう。

あくまでもひとつの案であって、
それが正解だと主張したいわけじゃない。

でも素人や外野でもすんなりわかるような、
分かりやすいものでなければ、
本当の意味で抜本的な改革にはならない、
とも思う。

なんでもそうだけど、出来ない理由を
探すことほど簡単なことはない。

そして親も社会も覚悟を決めて
「学力低下が…」とか言うのをやめる。

第一これからの時代、
そんな指標に本当に意味があるのか?

要は、本当に変えられるかどうかは
僕らの側の覚悟だと思う。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。