ひきこもるということ

ひきこもるということ

昨日、自助グループTea Timeの講座
「ひきこもるということ」に行った。

講師は丸山康彦さん。
不登校のため高校を7年かけて卒業した後、
高校講師を経てひきこもりになって、
社会復帰に7年かかったご経験を持つ方で、

現在は不登校・ひきこもり相談室
ヒューマン・スタジオを運営されている。

  • ひきこもるとはどういうことか
  • うまくいくプロセスはどういうものか
  • 家族はどう対応すべきか

の3つについて、
とてもわかりやすくご説明いただいた。

思ったことは山ほどあるのだけど、
ひとつ実感したのは、
忍介の不登校の時期も
まったくひきこもりの話と同じだったなあ、
ということだった。

枕詞がつくようになる

印象的だった丸山さんの言葉。

「ひきこもりになると、
枕詞がつくようになってしまうことが多い。
つまり”うちの長男”だったのが、
”家にいて働いていない長男”のように」

これは、聞いて思ったのだけど
本当にそうだった。

5年前の秋。

忍介が学校に行きたくない、
と言い出した。
しばらく五月雨で行っていた時期を過ぎて
完全に家から一歩も出なくなってしまうと、

僕にとって忍介は、ただの忍介ではなく
「学校へ行っていない忍介」になった。

なぜならそれは当時の僕には
重大な問題だったからだ。

でも大切なことは、特別扱いしないこと。
問題視しない接し方が重要なのだ。

本人を追い詰めるようなことをしない。
まずは本人が楽になれるようにする。

なぜなら本人は十分に傷ついているから。

傷つき、疲れ果て、
失敗した落伍者という意識に傷つき、
自意識過剰の悪循環の中にいるから。

「いわば人生の土俵際にいる。
言うならば徳俵に足がかかっている状態。
その人を押すようなことをしたら
土俵から落ちてしまう」と丸山さんは言う。

だから本人のエネルギーに合った
生活を保障する、つまり
その時点でできていることを認め、
やりたいことを応援するのが必要なのだ。

ゲーム三昧の場合はどうするか?

毎日昼夜逆転で、ゲームしかしていない。
こんなことで本当にいいのだろうか?

これは裏を返せば、その時点で
「ゲームはできている」わけで、
まずはその「ゲームができている」
状態を受け入れる。

「ゲームじゃなくて勉強の遅れを」などと、
できていないことを求めてはいけない。

「それは極端に言えば100m走で
ウサイン・ボルトに勝てと
言っているようなものだ」と丸山さん。

あなたは
ウサイン・ボルトより早く走れますか?

できないことを求めるというのは、
確かにそういうことだ。

本人のエネルギーが枯渇している状態では、
多くを求めるのは酷だ。
それも、改めて思った。

そうは言っても、、、

子どもの将来を心配してしまうのが親だ。

でも丸山さんもおっしゃっていたけど、
親の常識や価値観は一旦「後回し」
もしくは「棚上げ」してでも、本人にとって
必要なことを優先するべきだと思う。

自分は生きていてもいいと
思えるようにすること。
その時点でできていることを認め、
やりたいことを応援する。

学校へ行く行かないや将来のことは、
そのずっと先にある。

そして毎日の家族としての生活を
どう幸せにするかに専念する。

例えば、家族としての思い出作り。
これは家族でなくては
絶対にできないことのひとつだ。

支援するスタッフや相談員が
どれだけ熱心だとしても、
家族として接することはできないのだから。

この辺り、
僕にとって気づきと意識変革になったのは、
何度も書いているけど、
やっぱり「アイスクリーム療法」だった。

不登校に悩む僕にとって、決定的だったアイスクリーム療法

2018.04.11

聞いた話をとりとめもなく
まとめただけですが、何かが少しでも
今、悩みの渦中にいるあなたの役に立てたら
幸いです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子の忍介は書字の学習障害と軽度の発達障害があり、小学三年生の時に不登校になりました(現在19歳・忍者好き)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。