九品仏の休日

うちの奥さんは土日も何かと忙しく、
このところ夫婦で休みを楽しむことが
できてなかった。

年内もお互い予定があわない。

そんな中で、昨日だけは
ポッカリ予定が空いたので、
どこかに出かけようという話になった。

北鎌倉のお寺に行きたい。車で。

というのが彼女の希望だったのだけど、
僕はランチで飲みたかった。

結果、電車で世田谷の九品仏に
行ってみようという話になった。

九品仏と言えば—。

東急大井町線、駅のホームが短くて、
一部電車の扉が開かない駅のイメージだ。
(そうですよね?)

でもここには駅名にもなっている
九品仏浄真寺という古いお寺があって、
うちの奥さんは一度、
行ってみたかったのだという。

駅から降りて本当にすぐだった。
参道があって
閑静な住宅街の中にお寺はあった。

紅葉もイチョウの絨毯も綺麗だったし、
仁王門も大きな本堂も九品仏も良かった。

別に何がどうだ、という訳じゃない。

でも東京のど真ん中で、こんなにも静かで、
落ち着ける場所があるんだなあ、と。

300年という時間に思いを巡らせながら、
ぷらぷら歩くだけで心が穏やかになった。

そんな中。
うちの奥さんが耳にしたという
老婦人たちの会話が良かった。

「2034年まで改修するっていうけど、
私たちそのときまでは生きてないね」

「私たち死んだらどうなるんだろうね」

「わかんない。
でも戻ってきた人はいないんだから、
きっといいところなんだろうね」

戻ってきた人はいない。
だからあの世はいいところだ。

これって、すごい発想だと思いませんか?

冗談抜きで感心した。
僕もその、軽やかな達観の域に達したい。

二子玉川のフレンチで食事をして、
家に帰ってもワインを飲みながら
あれこれ話して、

そのまま僕は夕方に寝てしまい、
起きたら深夜2時半だった。

バッチリ目が覚めてしまったので
そのまま起きて、徹夜ゲームで
ドイツ軍と戦い続ける忍介を横目に
今これを書いている。

そんなこんなの九品仏の休日でした。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。