「最近の、この界隈での
問題を知りたいですか?」
とあるワークショップの休憩時間。
同じ参加者の男性に話しかけられたので、
「ええ、知りたいです」と著者は答えた。
男性はカフェテリアの
窓の向こうを指して聞く。
「空は何色ですか?」
それが地域での問題と
どんな関係があるのかわからないまま、
著者は答える。
「青です」
「いいえ、違います。緑色です」
と男性がきっぱり言う。
「緑色?」著者は困惑して聞いた。
「ええ、緑色です。
もう一度聞きます。空は何色ですか?」
「青ですよ」
「いいえ、違います。緑色です」
断固として男性が言う。
「でもどうして緑色なんです?」
著者が聞くと、男性の顔がパッと輝いた。
「そこなんです、
この界隈の人たちがやらないのは」
依然として困惑したまま、
著者はどういうことかと尋ねた。
「つまり、私には空は緑色なんです。
私には色覚障害があります。
でもこのあたりでは、
人が違ったものの見方をしていても、
なぜそうなのか、どうして違って見えるのか
誰も尋ねようとする人はいません。
ひとたび何かに対して一定の見方をしたら、
その見方をずっと続けている。
それがこの界隈での問題なんです」
・・・・・・・・・・
質問することの重要性を
この小話は伝えているわけなんだけど、
ああ、この手のすれ違いって
現実社会で結構多いよなあ、と思った。
誰かが「空は緑だ」と言っているとき――。
僕らは果たしてその人に質問するだろうか?
ああ、変な人だね。
関わらない方がいいかも。
そうやって
済ましてしまっていることが多い気がする。
もちろん、人にはそれぞれ、興味や
受け止められる情報のキャパシティがあるし
全部に関わることはできない。
でも自分とは違うものの見方を
誰かがしているとき、
質問することで何かが少し、
前進することがあるかもしれない。
そんなこんなを思ったエピソードだった。
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