書字障害。視力のよくない人がメガネをするように

書字障害。視力のよくない人がメガネをするように

読めるけど、書くのがつらい書字障害

忍介には書字の学習障害がある。

文字を読むことに困難はないのだけど、
書くことに困難がある。

例えば漢字の練習で上から同じ文字を
10回書いたりすると、
最初に書いたものと最後に書いたものが
違ってしまう。

この書字障害のやっかいなところは
ちゃんと読めてはいることだ。

正しく文字を読めているから、
認識できているから、
親も先生も”書けない”ということが
うまく理解できない。

だって、普通に読めているのだから。
だったら書けるでしょ?

普通そう考える。

でもそうじゃない。
それが書字障害。

僕も奥さんも
忍介にそういう困難があるなんて、
当初まったく想像もしていなかった。

以前ブログにも書いた通りだけど、
うちの奥さんが二人羽織みたいになって、
ひたすら頑張って
漢字を書けるようになるように練習した。

漢字が彼をどれだけ苦しめていたか、
最初は思いもよらなかった。

小学校では「漢字横綱」で
ひたすら漢字を書かされる。
そして間違いのページに
付箋を貼られる。

いわゆるトメ、ハネ、ハライ。

とにかくその基準で見れば
どうしても正確に書けないから、

貼られた付箋が
ライオンのたてがみのようになってしまい、
クラス中の笑い者になった気がした忍介。

「何で自分は生まれてきたのか」と、
小学三年生にして
自己肯定感がダダ下がりになった忍介。

「漢字のない国に行きたい」と、
夏休みが終わるのを嫌がった忍介。

結局、
彼に書字障害と発達障害があると
正式に診断が出たのは、
彼が完全に引きこもってしまい、
色々あって
デモクラティックスクールに
行くことを決めた頃だった。

今はいざ知らず。

5年前は学校の先生も
書字障害のことなんて
ぜんぜん知らなかった。

まあ、かくいう僕も知らなかったから
人のことを言えないんだけど、

でもやはり現場にいる方々には
こういう類のことは
せめて知識としてきちんと
持っていてもらえたら、と思う。

メガネとタブレットの違いは?

努力してできることと、
努力してもできないことがある場合、

そこにはやはり何がしか
補助が認められていいと思う。

視力が悪い子ならメガネをかけるか
コンタクトを使えばいい。
そうですよね?

じゃあ、
文字を書くことに困難がある子が
例えばタブレットを使うことは
不公平だろうか?

忍介が不登校に苦しんだ頃には
学校でタブレットを使うという
発想自体、まだなかったように
記憶しているけれど、

ここ数年、書字障害の子どもに
タブレットを認めてほしい
という声が増えていると聞く。

そして、
学校がそれを認めてくれない
ケースが多いという話も…。

僕は思うんだけど、
視力の悪い子のメガネと
書くことに困難がある子のタブレット、

何が違うんだろう?

僕は日常的に
忍介のミミズ文字を見ているから
とってもリアルに
書字障害を感じることができるけど、

どこか先生方や現場の方々に
書字障害に対して
「努力が足らん」
というような
意識があるんじゃないか?

そんな風に
うがってみたくなったりもする。

変わってほしい”書かせる文化”

もうひとつ、個人的に
変わってほしいと思う文化がある。

それは
”何でもかんでも書かせる文化”だ。

特にお役所。

どんな些細な用事で行っても
必ず氏名住所電話番号を書かされる。

それ、本当に必要?

って思うくらい、
いろんな書式がてんこ盛りにあって、
律儀に全部、氏名住所電話番号書かされる。

バリアフリーは
この何十年かで徹底されてきたけど、
(特に役所関係は)

一方で”書くのが困難”という
目に見えない書字障害。

彼らには
記入欄だらけの申請書が
本当に辛いってこと、
お分りじゃないんだと思う。

あと運転免許の更新申請とか、ね。
書くことに困難がなくても
あれは本当にうんざりする。

その点、回転寿司の注文は
今やタブレットでできたりする。

業務効率化の上でもとても良いと思う。
店員さんの注文の伝え忘れみたいな
人為的なミスも防止できるし。

忍介が免許を取れるようになる頃には、
世の中全体がもう少し、
目に見えない困難を抱えた人に
やさしい社会になっていてほしい。

願わくば!

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子の忍介は書字の学習障害と軽度の発達障害があり、小学三年生の時に不登校になりました(現在通信制高校1年生・忍者好き)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』を出版しています。