ありふれた親の一人として伝え続けていく

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ときどき、自分でもふと
不思議な気分になることがある。

いま、こうして夫婦で
「びーんずネット」
の活動をしていることが、だ。

僕はずっと20年間会社員だった。

ハードボイルドな資本主義の最前線、
とまでは言わないけれど、
なにせ4回も転職している身だった。

根無し草のジョブホッパーだからこそ、
常に結果が問われていると思っていた。

他人以上の働きをする必要がある。
弱みや背中を見せる訳にはいかない。
他人に遅れを取ってはいけない。

そう思って生きてきた。
ちょっと大袈裟に言うならば…。

ある程度はうまくやっていたとは思う。

ただ20年そうやって仕事してきて
けっこう、頭が凝り固まっていた。

だから息子の不登校を
すぐには受け入れられなかった。

万事、ぶっちゃけて言うなら競争なんだから
ある程度の理不尽さには耐える強さが必要だ。
競争に負けない賢さとしたたかさが必要だ。

そう思っていた。

でも本当にそうなのか?

学校に行き続けることが、イコールで
社会で生き抜く能力の向上につながるのか?
強さと賢さとしたたかさが身につくのか?

そんなことを胸に手を当てて
真剣に考えてみたことはなかった。

でもよくよく考えてみると全部、
「なんとなく」だった。

そんなこんな――。

思い切って考えを変えてみたら、
ずいぶん呼吸がしやすくなった。

空が高く、青く広く、開けた気がした。

あ、いいんだ、別に。

あれこれ「こうあらねば」と
信じていたのは、思い込みだったんだ。

そう気づいた。
この感覚は大きかった。

僕は別に何ができる訳でもない。

でもこの感覚を味わったことは、
繰り返し沢山の人に伝えたいと思った。

だからこの活動をしているし、
僕が伝える意義は
ここにあるんじゃないかと思っている。

かつては息子の中学受験を考えるような、
ごくごく一般的な教育観を持つ父親だった。

息子の不登校の経験をきっかけに、
あれこれ悩んで、考えが大きく変わった。

そのことを、
ありふれた親の一人として伝え続けていく。
それがきっと僕の役割だ。

今はそんなふうに思っている。

当初書こうと思っていたことと
ぜんぜん違う結論に着地してしまって
自分でもすごく驚いているのだけど、笑

まあ、これはこれで頭の整理になったので、
良いかも。
ということでこのままアップする。

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。