雨が降りしきる空港。
滑走路は暗く濡れていて、
何もかもがどんよりしている。
エンジンの出力がマックスになって
不安そうに機体が離陸する。
激しく降り付ける雨の中、45度で上昇する。
遠雷が灰色の雲の中から不気味に煌めく。
旋回しながらさらに上昇を続けていくと、
そこは真っ黒な雲の中。
がたがたと音をたてて機体が軋む。
前後左右、大揺れで
まっすぐ飛ぶことができない。
ゴツゴツと座席がじかに
石に当たっているみたいに揺れる。
まるで不毛な荒野を全速力で走る
トラクターにでも乗っているような感じ。
エアポケットなのか、
ジェットコースターに乗った時のように
胃がふっと持ち上がる。
窓の外に見える金属の翼は
ぶるぶると震え、しなっている。
とてもじゃないけどこのまま飛行なんて
続けられないと思う。
もう墜落するんじゃないか…。
頭を抱え込んでいると、
ふっと音が静まって周囲が明るくなる。
揺れがピタリと止む。
窓の外を見ると、黒い雨雲はもうなくて、
一面太陽に照らされた世界がそこにはある。
ちょっと大袈裟に言うんだけど
僕の場合
不登校の経験について感じているのは、
この飛行機のイメージだ。
渦中にあるときはとてもじゃないけど
このまま飛行なんて続けられないと思う。
でもあるポイントまで突き抜けると、
気がつくと青空が静かに広がっている。
5年前、10月の三連休の頃。
「どうせぼくなんて」
「生きていてもしょうがない」
が口癖になっていた
8歳の息子を見るのは悲しかった。
三連休がとても楽しかったようで「お父さんとお母さんの子どもに生まれてきて良かった」「生きていて良かった」などの発言頻繁に有り
(伏線として「勉強が苦手で漢字も書けない僕は、いったい何のために生まれてきたのか?」などの自問有り)
何で自分は生まれてきたのか?|忍介通信2(不登校35日目)
まさにがたがたと音を立てて
雨雲の中を飛んでいる飛行機だった。
でも今は青空の下を飛んでいる。
ひとつの新しい試み
僕は不登校支援をしている訳ではないし、
自分が不登校だった訳でも、今
悩みの只中にいる訳でもない。
5年前に息子の不登校を経験した
ただの一人の親だ。
でもその経験は僕には大きいものだった。
自分の中で根こそぎ変わるものがあった。
いまだにその「熱」のようなものが
体の中に残っている。
そんな中—-。
ひとつ新しい試みとして、
うちの奥さんと不登校をテーマにした
インタビュー事例集を作ろう
という話をしている。
その名も「雲の向こうはいつも青空」。
詳細は追ってお知らせすることとして、
まずはやるぞ!という気持ちに
火をつけるために、そしてこの先
後戻りできなくなるように、笑
あえてここで宣言してみた次第。
目標は来年一月末発行です。
お楽しみに。
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