”義務教育違反”という言葉に悩んでいるあなたに贈る言葉

親の義務と言う言葉に悩んでいるあなたに贈る言葉

義務教育、という言葉に悩んでいませんか?

学校は子どもが行かなければいけないところ、
親は子どもを行かせなくてはいけないところ、
不登校は良くないことだ、と。

親の義務という意味

確かに憲法でこう定められている。

第二十六条
すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

平たくいうと、

子どもには教育を受ける権利がある、
親は子どもに教育を受けさせる義務がある、

ということだ。

でもこれって、
よくよく考えてみて欲しい。

子どもには学ぶ権利がある
→言い換えれば、学校へ行く義務はない

親には子どもに教育を受けさせる義務がある
→言い換えれば、子どもが学ぶ権利を妨げてはいけない

ということだ。

子どもは学校へ行きたいと言う権利があるけど、行く義務はない。

親は学校へ行きたいと言う子どもを学校に行かせる義務はあるけど、行きたくない子どもを無理くり行かせる義務はない。

つまり、子どもが教育を受けたい、と言った時に、
むかしむかしの時代のように

「そんなこと言ってないで、畑を手伝え」
「奉公に出て稼いでこい」

と言ってはいけない、ということであって、

嫌がる子どもを無理やり校門に連れていく義務

がある訳じゃない。

義務という言葉に罪悪感を感じてしまう

でも「親の義務」というコトバが重いから、
ついつい「義務を果たしていない」という罪悪感が出てしまう。

具体的な罰則がないにしても、

親として正しくないことをしている、
やるべきことを放置している、
他の親ができているのに自分だけできていない、

みたいに感じてしまう。

そうですよね?

でも、そこに罪悪感を感じるのはやめましょう。
そんな罪悪感なんて感じる必要なんてないんだから。

子どもは学校に行く義務はない。
親が無理くり行かせる義務もない。

不登校は問題行動ではない

ちなみに。

文科省は2016年9月にこういう通達を出しています。
(文章長いので抜粋|原文はURL参照)

・不登校を問題行動と判断してはならない

・不登校児童が悪いというのは根強い偏見だ

・不登校は誰でもなり得るものだ

・不登校に対して、学校・家庭・社会が共感的理解と受容の姿勢を持つべきだ

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1375981.htm

意外ですか?

僕は意外だった。
白状すると、つい最近知った。
なので、知らない人も多いんじゃないかと思って、共有です。

文科省がそう言ってるからオッケー、
と言いたい訳じゃない。

でも少なくとも、
文科省はそう言っています。
はっきり、言い切ってます。
どれだけ現場(特に学校の先生方)に届いているかは、ちょっと???だけど。

親の義務を果たしていない。
そんな罪悪感は捨てましょう。
自分を責めるのを、やめましょう。
傷ついた子どもの心が回復できるよう、最大限、努めましょう。

必要な方に届くといいのだけど。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。