親にとって子どもの不登校は、かつての自分と向き合うことになる

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『親子で不登校になりました。』を読んだ。

ある日、
明るく元気だった息子は
「死にたい」と言い
そして、不登校になった――。
かつて同じ経験を
してきたからこそ
母として息子にできることが
きっとあるはず――。

という内容だ。

ダメダメな校長と教頭のコンビ。

あろうことか、同級生の子の母親が
スクールカウンセラーとして登場。

一見理解がありそうに見えるけど、
一皮むけば保守的な価値観を
ぐいぐい勝手に押し付けてくる支援者。

などなど。

「あー、ったくもうッ!」

という連続で、でもこれらは
「不登校界隈あるある」でもあるよなあ。

そう思いながら読んだ。

結局のところ――。

主人公のうみ子さんが正にそうだったけど。

親にとって子どもの不登校は、
かつての自分と向き合うことになる。

自分の親との関係もそうだし、
これまで培ってきた価値観もそうだ。

「見たくない」とフタをしてた部分、
どうしてもそこに向き合わざるを得ない。

うみ子さんの場合は、
かつて母親のネグレクトや、
いじめで不登校になった体験がそうだった。

僕について言えば、
そういうシリアスで壮絶な体験はない。

ただあえて大きめに言わせてもらうなら
「生き方」という根本的な部分にまで、
それも何年も経ってから
最終的には向き合うことになった。

つまり、ずっと騙し騙し
会社員として働いてきた。

ほぼ5年ごとに20年間で4社、
転職を繰り返してきた。

なんのかんの、
組織に属さなければ生きていけない。

「そういうものだから」

とフタをしてきた。

そういう中で息子が不登校になって、
すったもんだのあれやこれやがあって。

気づけばコダマのように
響いてくるものがあった。

「それで本当にいいのか?」

もちろん、当時から疑問として
はっきりそう言語化していた訳じゃない。

ただただ、キツかった。

このまま行くとマズイ、
というアラートは頭に鳴り響いていた。

そしてどこかでやっぱりずっと、
通奏低音として響いていたのだと思う。

「それで本当にいいのか?」と。

だから46歳で会社員を辞めた。

何が言いたいか?

いや、キツいですよね、子どもの不登校。

そして向き合いたくなんかないですよね、
自分がフタをしてた部分になんて。

でも土砂降りの雨の中、
傘もささずに飛び出して――。

もう全身、ズブ濡れになってしまえば、
不思議と気分が変わることもある。

そうですよね?

なのでね、キツいし、しんどいけれど。

ズブ濡れになってがんばりましょう。
雲の向こうはきっと青空がありますよ。

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。