このエピソードは何度か書いてるけど、、、
割と本質突いてると思うから何度でも書く。
確か僕がびーんずネットの活動を
始めた年だから、2018年のことだ。
とある親の会に、僕も不登校の子を持つ
一人の親として参加した。
その回は車座になって話す回ではなく、
どなたかの講演会だったのかな?
この後の印象が強烈すぎて
詳細はすっかり忘れてしまった。
とにかくみんなで前を向いて座って
どなたかのお話を聞いた。
終わって質疑応答になった。
すると最前列に座っていた
老夫婦の男性が猛然と挙手をした。
お孫さんが学校に行っていないとのこと。
そして完全に詰め寄るような語調で言う。
世の中これだけ不登校があふれてる。
それなのに、今の話を聞くにつけ
何らの普遍的なハウツーが感じられない。
仮にもアンタら専門家だろう?
雁首揃えていったい何をやっているのか?
そんな内容のことを大声でまくし立てた。
きっと話しぶりからして経営者なのだろう。
もちろん場の雰囲気は極端に悪くなった。
でも「コレ、わかるわー」と思った。
僕も息子が不登校になってすぐの頃、
やっぱりどこかそう思っていた。
専門家と言われる人たちは雁首揃えて
いったい何をやっているのかと。
ただ今になるとよーくわかる。
ハウツーなんてないんだよ、不登校には。
それを知ることがスタートラインでもあり、
それを真に受け入れるのがゴールでもある。
第三者がどうこうできる話じゃない。
そしてそれを知っているのが専門家なのだ。
だから僕はハウツーを語る人を信用しない。
ハウツーでなんとかなると思ってる時点で
むしろ不登校を全然わかってないと思う。
まずその前提があることを踏まえて。
「それでも親にできることは何だろうか?」
と考えると、結局のところ――。
子どもにあったかいご飯と寝床を用意して、
親は親で日々楽しく生きるということだ。
「いやカネコさん、そんなこと言って、
このままずっと家から出られなかったら
一体どうしてくれるんですか?」
きっとみんなそう質問してくるだろう。
かく言う僕自身、かつてはそう思ってた。
でも自分の子どもの不登校と、数多くの
不登校とその後を見聞きしてきて思う。
「別にいいじゃないですか、それでも」
親がそう言えるようになるのが、
真の不登校のゴールなのだ。
だから僕はこういう物言いが
嫌いだし、不適切だと思う。
「不登校を予防する」
「不登校を克服した」
「不登校から立ち直った」
立ち直った、克服したと
不登校を経験した本人が
そう言うのはまだわかる。
でも親や他人が
立ち直ったとか克服したとか
ましてやおこがましくも
予防するというのは違う。
そういう話じゃないのだ。
「別にいいじゃないですか、それでも」
親が心底そう思い、受けとめ、
そう言えるようになることこそが
真の不登校のゴールだと思う。
子どもの状態云々じゃない。
そんなの全然関係ない。
本質は親の心持ちと覚悟の話なのだ。
厳しい話だし、難しい話だ。
わかりにくい禅問答でもある。
だから僕の言ってることは人気がない。笑
切れ味抜群のわかりやすいハウツーで
ものが言えたらいいなと思うよ、俺だって。
これでも一応マーケティングで20年間、
飯を食ってきたわけだし。
でもそうじゃないんだよ。
そうじゃない。
厳しい話なんだよ。
簡単じゃないんだよ。
ということをね、
あのご老人に言いたいけれど――。
絶対に伝わらないだろうなという
変な自信も自分にはある。笑
だからやっぱり何も言わないかな。
いつか気づいてくれたらいいけれど。
とにかく変なハウツーものには
どうかひっかからないでほしい。
そして、親はやっぱり苦しいし辛い。
だから情報と繋がりを常に保ってほしい。
あなたに届くといいのですが。
今日も良い1日を。

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