正しいことを言うときは、少しひかえめにするほうがいい

正しいことを言うときは

30年近く前に読んで
いいな!
と思った詩人の、
別の詩にグっときた話。

18歳のとき吉野弘の詩に感銘を受けた

大学の教養課程で「倫理学」をとった。

「倫理学」は
ありていに言えば人気のない授業で
履修する学生は少なかった。

ただ、毎回教授が取り上げるテーマが
とても面白かったので、
僕には珍しいことだけど
ほとんど欠席せずに毎回出た。

なかでも印象に残っているのは、
詩人・吉野弘の「夕焼け」を取り上げて
電車内の座席譲りから
倫理について考えた授業だ。

当時の僕は、吉野弘のこの詩に
物凄くインスパイアされるものがあって、

恥ずかしながら
「夕焼け電車に乗って」
なる歌を作って
バンドで演奏したりした。

あれから約30年、今回感銘を受けたのは…

30年近く、まるっきり
吉野弘のことを忘れていたんだけど、
夕暮れ時に電車に乗っていて
突然ふと、彼の詩のことを思い出した。

久しぶりに読み返したいと思って
本棚に彼の詩集を探してみたのだけど、
とっくに古本屋に売ってしまったようで
見当たらない。

こういう時に
インターネットって便利だよな!

検索すればすぐに全文が読めて、
それはそれで、スッキリした。

でも、”吉野弘”でいろいろ検索する中で
今回僕が一番感銘を受けたのは、
実は「夕焼け」ではなくて「祝婚歌」だ。

今回初めてこの詩を読んだのだけど、

これがもう!!!

僕にはすごく良かった。

なので、この場を借りて紹介。

親子関係に置き換えて読む

この詩はもちろん
夫婦に贈られた言葉なんだけど、

僕の場合、夫婦もだけど
今回なぜか「親と子」に
脳内で勝手に変換されてしまった。

でもまあ、
そうやって読むのもアリじゃないか、と
思った次第。

あんまりあれこれ言うよりも
実物を紹介した方が良いと思うので、
引用します。

ぜひじっくり、
味わって読んでみてください!

 

「祝婚歌」 (風が吹くと)

二人が睦まじくいるためには

愚かでいるほうがいい

立派すぎないほうがいい

立派すぎることは

長持ちしないことだと気付いているほうがいい

完璧をめざさないほうがいい

完璧なんて不自然なことだと

うそぶいているほうがいい

二人のうちどちらかが

ふざけているほうがいい

ずっこけているほうがいい

互いに非難することがあっても

非難できる資格が自分にあったかどうか

あとで

疑わしくなるほうがいい

正しいことを言うときは

少しひかえめにするほうがいい

正しいことを言うときは

相手を傷つけやすいものだと

気付いているほうがいい

立派でありたいとか

正しくありたいとかいう

無理な緊張には

色目を使わず

ゆったり ゆたかに

光を浴びているほうがいい

健康で 風に吹かれながら

生きていることのなつかしさに

ふと 胸が熱くなる

そんな日があってもいい

そして

なぜ 胸が熱くなるのか

黙っていても

二人にはわかるのであってほしい

吉野弘『二人が睦まじくいるためには』より

 

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不登校日記|僕らの場合

不登校に悩む間、自分の両親に宛てて18通のメールを書きました。息子が不登校になって、経過を説明するために書き始めた「忍介通信」。当時の状況と心境を率直に綴った生々しい記録です。ぜひ、読んでみてください。




2 件のコメント

  • 毎回読ませていただいています。
    この詩は今私が悩んでいることにドンピシャリでした。
    不登校児を抱えて毎回義母の言う正論に傷ついています。
    この詩を義母に送りたい気持ちです。
    ありがとうございます^ ^

    • suzzyさん

      コメントありがとうございます。
      この詩が今のお気持ちにピッタリだったとのこと、嬉しいです。

      義理のお母様のこと、大変辛いですね。
      息子が不登校になった時、僕も妻も親との関係にはとても悩みました。もしかしたら今もまだ、本当のところは解消していないかも知れません。
      息子の徹夜ゲームも、僕が会社を辞めたことも、親には言っていませんしね…。

      毎回読んでいただき、ありがとうございます。
      とっても嬉しいです!

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1972年生まれ。 息子の忍介は書字の学習障害と軽度の発達障害があり、小学三年生の時に不登校になりました(現在中学3年生・デモクラティックスクールを経て2019年春からホームスクーラー/忍者好き)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』を出版しています。