学歴社会批判の「お約束」

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文部科学省は、小学校入学時の学習態度や学力の差をなくそうと、5歳児向けの共通教育プログラムを作る方針を決めた。幼稚園や保育園、認定こども園で生活や学習の基盤となる力を養い、小学校入学後の学びにつなげる。近く中央教育審議会で検討を始める。

とのことだけど、、、

どうしてそっち方面に行くのかね?

「同年齢の子が何十人も同じ空間で
毎日を過ごさなければならない」

その窮屈さにこそ、僕は学校というものの
そもそもの問題があると思っている。

なので「異年齢ミックス」がひとつの
重要な解決のキーだと思っているのだけど、

どうして同じ年齢の同じタイミングで、
同じ学力をつけさせたいのか、
それを入学前の5歳児にまで適応するのか、
絶望的に発想が古いし固いな……と、
このニュースを読んで思った。

ところで、こう書きながら
話はいきなり飛ぶのだけど――。

昨日読んだ
『不登校、選んだわけじゃないんだぜ!』
の中で、特にザラッとした感触が
残っている箇所がある。

「学歴社会批判のお約束」という項だ。

社会学者の佐藤俊樹さんが
『不平等社会日本』
という本の中でこう言っているという。

大学教員や霞が関のキャリア官僚は
「学歴社会」や「偏差値偏重」を批判し、
改革しようとしている。

でも彼らはそう言いながら彼ら自身が
「学歴社会の選抜システム」
を勝ち抜いてきた人たちだ。

「学歴社会はおかしい。だからわたしは大学教員をやめます」とか、「学歴社会はおかしい、だから私は官僚をやめます」という話はほとんど聞かない。そればかりではない。批判する大学教員やキャリア官僚に「じゃあなんで大学をやめないんですか」「じゃあなぜ官庁をやめないんですか」とまじめにきく人もほとんどいない。

これは、確かにその通りで。

学歴の高い人による学歴社会批判は、
それ以上突っ込まれることがない、
というのが「お約束」だ。

そしてここが一番ザラついたのだけど、、、

役人や教授に「じゃあなんでやめないのか」
をまじめに聞かない、聞こうとしない、
言うなれば僕のような人がほとんどだ。

安全地帯にいるからこそアレコレ言える。

本気で変わろう、変えようと思ってないから
アレコレ言える。

――今、「異年齢ミックスが〜」
とか言いながら、巨大なブーメランが
自分に向かっているのを感じている。

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。