朝4時。起きると居間に忍介がいる。
聞くと早起きじゃなくて、昼夜逆転、
それが何度も回転してるから、もう
早いのか遅いのかよくわからないらしい。
で、寝ようとしても眠れないんで、
暇つぶしに勉強してるんだ、と彼。
「へえ、そうなんだ」と僕。
「お父さん、ソスウってどういうこと?」
「数字の素数のこと?」
「そう」
息子よ。
それを数学嫌いの父に聞くか?
何となく素数という言葉は覚えていたけど、
もちろんきちんと説明することはできない。
一瞬、自分で調べて
彼に教えてあげようかと思ったのだけど、
思い返してやめた。
「忘れちゃった。説明できないや。
検索して調べてみれば?」
そう言うと、そだねー、と言って14歳、
PCの前でゴソゴソ調べる。
しばらくすると
「そういうことか」
と合点が行ったようで、
説明してくれた。
「素数(そすう)とは、1 と自分自身以外に
正の約数を持たない自然数で、
1 でない数のことである。
だから、20までの数字のうちの素数は、
2と3と5と、、、」
そして言う。
「こういうのって、意外と面白いね。
考えながら書き出すのって、
プチプチをつぶすみたいで
暇つぶしになるよ」
そうか、
暇つぶしに素数をカウントするのか。
面白い人だな。
そんなこんな――。
思ったのは、、、
最初に質問されたとき、
教えなくて良かったなあ、と。
本当に小さなことだけど、
たぶん僕があれこれ教えたら、
彼もこんなふうには興味を
持たなかったんじゃないかな。
少なくとも自分で検索して、
理解して、納得した。
その経験は良きものだったと思う。
え?
単にお前が素数を
説明できなかっただけだろ、って?
その通り!笑
記事を読んで何か感じることがあれば、ぜひコメント欄にご意見やご感想をお寄せください。
更新の励みになります。バナーのクリックお願いします!
コメントを残す