弱い子なんかじゃない

 

大事な力、ってなんだろうね?

「自立して生きられること」

と答える人は多いだろう。

でも「自立」という言葉って
誤解の多いものでもある。

「誰にも助けを求めずとも生きていける」

というイメージの人は多いと思う。

もちろん、正解などない。
いろんな考え方があるだろう。

でも誰にも助けを求めずとも
本当に人は生きていけるのだろうか?

「自立とは社会の中に依存先を増やすこと」

という考え方に出会ったとき、
僕はハッとなった。

「依存先」を増やすというのは
一見、逆説的に響く。

「自立」の反対語は「依存」、
と条件反射してしまうから。

でもこれ、よくよく考えれば
「確かに」と腑に落ちる感覚ないだろうか?

困ったときに「助けて」が言える人。
助けてと言える先がたくさんある人。

一方で「助けて」が誰にも言えない人。
助けてと言える先がひとつもない人。

どちらが本当の意味で
自立して生きていると言えるだろうか?

そもそも自立という漢字の並びが
よくないかな。

「武士は食わねど高楊枝」は
美学としてはアリかもしれない。

でも生き方としては最適じゃない。

何が言いたいか?

自立と依存からの連想で思ったこと。

ブラック企業でも
我慢して働き続ける忍耐力か?

それともブラック企業なら
さっさと見抜いて転職できる力か?

どっちが大事なんだろう?

右肩上がりで将来が約束されていた
高度経済成長下の終身雇用制度時代なら、
忍耐力はそれなりに意味があっただろう。

でも今はどうだろうか?

ブラック企業にさっさと
見切りをつける能力。
その危機管理能力。

そして実際に転職という、
大きく人生を変える決断。
その行動に出られる力。

それこそがより、これからの時代に
必要な能力なんじゃないだろうか?

学校がブラック企業と言いたい訳じゃない。

「でも自分には合わない」

という子も必ずいる。

どんなに優良企業であっても
離職者ゼロはあり得ないように。

離職者ゼロ前提だから、いつも
義務教育の不登校対策はおかしくなる。

って話が逸れるので戻す。

「自分には合わない」

そう認識できるブラック察知能力。
そして不登校という行動に移せる力。

これ、よくよく考えてみれば――。

中々のものだよね。
一本、しっかり芯が通っているよね。

と、我が子を今一度
捉え直してみるのはいかがでしょう?

弱い子なんかじゃない。
甘えて怠けている訳でもない。

危機管理能力に優れた子。
周囲に惑わされず行動に移せる強い子。

むしろ僕はポジティブにそう見たいかな。

って渦中はもちろん、
そんな風には思えなかった訳だけど……。

10年以上経った今はそう思う。

ひとつの新しい見方として、
あなたに届くといいのですが。

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。