否定形は演じられない

 

 

 

いつもながら鴻上尚史さんの
「ほがらか人生相談」の切れ味が快感だ。

否定形は演じられない、
というのがズバッと響いた。

どういうことか?

「人間は否定形を実行できない」という言葉、ご存じですか? 演劇界では、知る人ぞ知る言葉なんですが、「否定形は演じられない」という言い方になります。

例えば、目の前に「あなた」がいたとして、「あなたと話さない」という演技は実行できないのです。

やってみればすぐに分かりますが、演出家から「『あなたと話さない』という演技やって」と言われたら、結局、あなたの周りをウロウロしながら「話さないぞ」「絶対に話さないぞ」なんてブツブツ言うだけです。変な人ですね。

「演じられない否定形」を、「演じられる肯定形」にする必要があるのです。

例えば、「あなたと話さない。だから、この部屋を出て行く」とか「あなたと話さない。だから、テレビを見る」とか「あなたと話さない。だから、他の友達と話す」というふうに、否定形を、実行できる肯定形に変えないと演じられないのです。

なので相談者のなるまさんの言う

「周囲を気にしない」

という否定形を実行することは不可能だと。

「なるほど」と思いませんか?

否定形は実行できない。

ならばどうすればいいか?

演じられる肯定形にすること、
つまり具体的なアクションを取ることだ。

「あなたと話さない。だから、スマホを見る」なんてことですね。

それも否定形を忘れるくらい熱中できる
何か肯定的なことと出会う必要がある、
と鴻上さんは続ける。

これ、まさに子どもの不登校にも
当てはまらないだろうか?

「不登校を気にしない」

この否定形を実行することはできない。

「だから〇〇する」という
肯定的なアクションを取る必要がある。

見つけましょう。なんでもいいんです。そのためには、まずは出かけましょう。頭の中ですべて処理する世界から、体で感じる世界に行きましょう。

好きなスポーツはないですか? 野球が好きなら野球場へ、サッカーが好きならスタジアムへ、興味がなくても有名なバンドやアイドルのライブに行ってみませんか? 演劇を劇場で見るのはどうですか? 美味しいラーメンの食べ歩きはどうですか? 有名なレストランを回ってグルメを堪能するのは?

自然に飛び込むのもいいですね。山に一人で登ってみたり、温泉をめぐってみたり、一人旅で海外に行くのもいいですね。とにかく、興味がなくてもとりあえず飛び込んで、なるまさんが熱中できることを見つけるのです。

確かに!

否定形を乗り越えるためには、そのことを考えるのではなく、まったく違う肯定形を見つけること。それが僕は一番だと思っています。

そのことを考えるのではなく、
まったく違う肯定形を見つけること。

いや、ホントそこですよね。

まず、親が幸せになる。

「オーレィ!」

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。