鏡を見ると

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朝起きて、鏡を見て驚いた。

頭のてっぺんの髪の毛が
丸ごと、ごっそり無い。

そこだけ綺麗に白い地肌になっていた。
懐かしの鹿島アントラーズの
アルシンドにそっくりだ。

たった一晩でこんなことになるのが
信じられなかった。
まるでマリー・アントワネットの
白髪の話みたいじゃないか?

半信半疑のまま、
忍介とうちの奧さんに見てもらう。

「あらま」とうちの奧さん。

「お父さん、アレだね。もういっそのこと、
残ってる部分もっと短くした方が
似合いそうだね」と忍介。

「確かにそうだよな。こうなったらもう、
短くした方がいいよね」

そう、早く丸刈りにしよう。
髪の毛切りに行きたい。

でも、今日、学生時代の
仲間の結婚式なんだよね。

仕方なく身支度して式場に向かう。

街ゆく人たちは誰も僕の頭に目もくれない。

でもさすがに会場に着いて
友人たちに会うとそうも行かない。

先に自分から頭を指して説明する。

「いや、びっくりしたんだけどさ、
一晩でこうなったんだよ。信じられる?」

「へえ、そうなんだ。
そんなことってあるんだね」

「ちょうどいいから、このこと、
今日のブログのネタにしようと思ってさ」

頭を上から撮った証拠写真付きで載せたい。
誰かその写真を撮ってくれない?

そう言うと後輩の女性が
「撮りますよ」と買って出てくれた。

ところが。

何度撮ってもらっても、
写真がうまく撮れてない。

上から河童のお皿を撮ってほしいのに、
彼女が差し出すスマホの画面には、
ちっとも僕の頭が写ってない。

式場の廊下だったり、花瓶だったり、
エレベーターの入り口だったり、
そんなものが写っている。

いや、違うんだよ、
この河童のお皿の部分を撮って。
それでいいから。

何度も撮り直しを頼んでいるうちに、
しまいには彼女が泣き出してしまう。
披露宴の時間も迫ってきて……。

一体ぜんたい、なんなんだよ、この夢は?

起きて一番最初にしたことは
もちろん、頭のてっぺんを触ることだった。

そして、忘れないうちに
一気にここまで書いてみた。

一体ぜんたい、なんなんだろう、この夢は?

白い地肌の感触があまりにもリアルで。
話自体、なんとも言えない嫌な感じで。

せっかくだから、夢の続きで
ブログのネタにした、という次第。

正夢にならないといいのだけど。

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。