何も知らない自分を知る

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日本産業カウンセラー協会の機関誌
「JAICO」を読んでいる人は、
たぶんそんなに多くないと思う。

うちの奥さんが会員だから届くんだろう。
机の上にポイと置いてあったりする。

第48回産業カウンセリング全国大会が
神奈川であったそうで。

NHK記者の大越健介さんの
基調講演録が良かったので紹介。

詳細はかなりすっ飛ばして書くのだけど、
大越さんの言葉でわかりやすいなあと
思ったのが「記号」という考え方。

市原海老蔵さんにインタビューした際。
番記者として橋本龍太郎に付いた際。

お互い「記号」であるうちは
同じ人間として心が共に震える、
共振するという場面がなかった。

歌舞伎役者の海老蔵と、NHKの大越健介。
政治家の橋本龍太郎と、NHKの大越健介。

記号記号の関係からお互いに踏み出す時、
人間対人間で話せる関係になったという。

橋本龍太郎の例で言うなら、当初は
けんもほろろで、ただの「NHK」だった。

通い続けるうちに「NHKさん」になり、
「NHKの大越さん」になり、
最後はNHKという記号が取れて
「大越くん」になった。

そして大越さんは橋本首相就任の
特ダネをモノにすることになった。

例えば最近のニュース。

元高級官僚が犯した事件や、
高齢ドライバーによる事故などがある。

でも「元高級官僚」や「高齢ドライバー」と
記号でくくってしまうと、
「思考停止」に陥ってしまう。そこにある
大事な何かを見落としてしまう場合もある。

近頃「ひきこもり=犯罪予備軍」というような言説が氾濫しています。でも、そうした記号化に縛られた、固定化した考え方こそが危ないのではないかと警鐘を鳴らす方もいます。(中略)この人はこういう人だ、という決めつけが入って思考停止になったら、その時点でコミュニケーションは終わりです。大事なのはそこから先の想像力です。ニュースというものは全体像のほんの一部しか切り取りません。それでわかったつもりにならず、「何も知らない自分」を認識して、一人一人の心持ちになっていかないと、どんどん息苦しくて不自由な社会になってしまうと思います。

記号化=思考停止。
何も知らない自分を知る。

コレ、わかってはいるつもりでも、
ついついあるんだよなあ、と。

思った次第。

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。