手のひらに隠して捨てたもの

手のひらに隠して捨てたもの

大阪地震の後、
連絡用にスマホを学校に持ち込んだ生徒が、
校則違反を理由に教師に没収される出来事が
相次いでいるというニュース。

http://news.nicovideo.jp/watch/nw3607502

本当に残念だなあと思う。

何のためのルールか?

読んで思い出したのは
小学校の時の給食のルールのことだ。

僕は椎茸が本当に苦手で、
今も一切食べない。

幼い頃に食べて、
気持ち悪さのあまり
思い切り戻してしまったのが
トラウマになっている。

一方、小学校では
給食を完食するまで
許してもらえなかった。

昼休みが過ぎ、
掃除の時間になって舞い上がる埃の中、

しょんぼりとひとり座って、
お椀の中の椎茸を眺めて過ごした。

「好き嫌いをするな」

「一生懸命作ってくれた
給食センターの人たちに失礼だろう」

という理由だったと記憶しているけど、

吐いてしまうくらい嫌いなものを
絶対に食べなきゃいけない理由として
幼心に納得できるものじゃなかった。

結局、僕の場合
トイレに行くふりをして
手のひらに椎茸を握り、
こっそりゴミ箱に捨てていた。

不毛なことだと思いませんか?

先生の思いは逆に、
(少なくとも僕には)

そういう小賢しさを
身につけさせる形にしか
ならなかった訳で…。

ルールは納得感があってこそ

ルールだからって
スマホを取り上げる。

なぜその規則があるのか。
それがどういう風に大事なのか。

問答無用で取り上げるんじゃなく
少なくとも説明する必要があると思うし、

その説明に
納得感を持ってもらえないのなら、

そのルール自体
本当に必要なのかどうか、
一度立ち戻って考えた方がいいと思う。

そうじゃないんだったら、
軍隊の鬼軍曹と変わらない。

話は小学生のときに戻るけど、

無理やりでも
食べなきゃいけないのと同じくらい、

手のひらに隠した椎茸、
こっそりゴミ箱に捨てるのは嫌だった。

本当に。

当時言えなかったから今、
改めて言う。

そんなことを人にさせないで欲しかった。

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1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。