恐れを知らぬ男たちの砲台

1793年、フランスが共和政になって1年。

軍港トゥーロンは、革命政府に反旗を翻した
王党派に占領されていた。
イギリス・スペインの連合艦隊が
王党派を援助していた。

共和国軍はトゥーロンを包囲したが、
海上からの補給を断てないために
反乱軍を降伏させられない。

何度かまずい攻撃もあって、
その都度撃退され、
戦闘はこう着状態に陥っていた。

砲兵将校だったボナパルト大尉は、
港を見下ろす高台に砲台を
設置することを提案した。

ただ、その砲台を守備しようとする兵士は
誰もいないだろうと周囲は言った。
設置地点は四方から丸見えだったからだ。
自殺的ミッションと言ってよかった。

しかし後に皇帝となるこの若き士官は、
兵士たちのプライドに訴えかけた。

砲台に巨大なプラカードをつくらせ、
そこに黒々とこう大書した。

「恐れを知らぬ男たちの砲台」

これを見た兵士たちは、
競ってこの一員になろうとした。

結果、この砲台には日夜兵士が張り付き、
砲台の存在は攻囲戦全体の転換点となった。

このエピソードに接して思うのは、
言葉の力は本当に大きいなあ、
ということだ。

誰もが尻込みするようなミッションでも、
「恐れを知らぬ男たちの砲台」と
位置付けたことが、
生まれたばかりの共和国防衛への
熱い想いを兵士たちに呼び覚ました。

このナポレオンの砲台の話を知って
僕がまず思い浮かべたのは、、、

…話がものすごく飛躍してしまうのだけど、
うちの奥さんが5年前に個人ブログを
始めたときに付けたタイトルのことだった。

びーんずネット(子どもを信じる親の会)

子どもを信じる親の会、

と黒々と大書したとして、多分大多数の人が
「は?」という感じだと思う。

新興宗教?みたいに思う人もいるだろう。

でも、もし僕が今、不登校という名の砲台に
何かを大書するとしたら、やっぱり
この言葉がいいかなあ、と思う。

子どもを信じる親の会。

この言葉に”奮い立つ”人がいるかどうかは、
はなはだ不明だけど。笑

以下毎度だけど田中茂樹さんの言葉を紹介。

子どもを信じるということは、都合よく考えて放任することではないのはもちろん、見守っていれば失敗しないだろうと信じることでもありません。
そうではなく、失敗するかもしれないけれども、失敗してもまた立ち上がる強さを持っていると信じるのです。
自分の子どもは信じるに値する子だ、大事にするのに値する子だと信じるのです。
親から信じてもらえることこそが、子どもにとって決定的に大切な勇気の源になります。
田中茂樹『子どもを信じること』

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子の忍介は書字の学習障害と軽度の発達障害があり、小学三年生の時に不登校になりました(現在19歳・忍者好き)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。