もっと多くの人に届いてほしい

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昨日の昼下がり。駅に停車中の電車の中で。

3歳くらいだろうか?
男の子が泣いている声が聞こえてきた。

ィヤーダ、ィヤーダ、*+・@したい、
*+・@したいの!

見ると、身も世もなく泣く男の子を
お母さんがホームに連れ出していく。

そして氷点下15度くらいの冷たい声で
お母さんがこう言うのが聞こえた。

「いいよ、じゃあもう何もせず家に帰る?」

「ィヤーダ、*+・@し・た・い」

「もう閉まっちゃったから
しょーがないでしょ!」

「ィヤーダ、ィヤーダ、」

「じゃあもう家に帰るのね?」

「ィヤーダ、*+・@し・た・い・の!」

たぶんプチン、とお母さんキレたんだろう。

問答無用で猛然と彼女が
ヤーダヤーダを抱き上げて車内に乗り込む。
強権を発動されたヤーダヤーダは案の定、
火がついたように泣き出す。

「シ!うるさいよ」

最初気がつかなかったんだけど、
お父さんも近くにいたらしく。
小声で低く何度も注意する。

でもヤーダヤーダにはそんなの関係ない。
大泣きが爆泣きに変わるだけだ。

かわいそうに、ヤーダヤーダは再度
抱き上げられて別の車両に連れていかれた。

胸が痛んだ。

ヤーダヤーダの主張は
涙声すぎて聞き取れなかった。

でもお母さんが言う通り、彼の行きたい所は
もう閉まっているんだろう。
きっとそれは仕方ないことなんだろう。

でもね、と思った。もう少し彼の気持ちを
受け止めてもいいんじゃないかなあ。

「そうか。ヤーダヤーダは
*+・@したいのね」

そうやって気持ちを受け止めることなしに
問答無用の強制執行を繰り返せば、
相手が3歳の子でもこじれる。

にんげん、誰だって
強権を発動されるのは好きじゃない。

他人のことだからよく見えるのだと思う。

僕も昔はああだったと思う(反省)。

でも――「親業」の「能動的な聞き方」を
習った身には、一言、まずは、
気持ちを受け止めていけば、違うのにな。

もっと多くの人に「親業」の効果的な
コミュニケーションが届いてほしい。

そう思わずにはいられない一幕だった。

親業について、詳しくはこちら。
https://ftk-gift.com/category/parparent-effectiveness-training/

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。