どうしても「おー、がんばれよー」にはなれない

 

 

 

考えてみれば簡単な話なんだよね。

マルっと認めてしまえばいい。

腹をくくる。
なるようにしかならない。

そして一旦ハンドルから
両手を離せるようになると――。

そのまま一輪車漕ぎができるようになる。
泳ぐこととかもそうだよね。

一旦できるようになれば、
なんてことはなくなってしまう。

あ、不登校の悩みから
解脱することについて言ってます。

でもね、これが難しい。

今の僕は息子のことについてはもう、
10年選手の一輪車漕ぎだ。

マルっと認める。腹をくくる。
なるようにしかならない。

でもどうしても今、
それができなくなっている。

そう、サッカー日本代表のことだ。

マルっと認める。腹をくくる。
なるようにしかならない。

今、あなたはきっと日本代表に対しては
こんなところじゃないだろうか?

おー、いよいよだねー、
がんばれよー、みたいな。

でも僕は違う。

「おー、がんばれよー」にはなれない。

どうしてもなれない。ぜんぜんなれない。

とにかくブラジル戦のことを思うと
心が千々に乱れてしまう。

「あのさ、純ちゃんさ、
なるようにしかならないんだから」

わかってる。わかってるさ。

でも頭でどれだけわかっていても、
まったくもってダメだ。

要するに――。

思い入れが強すぎるんだよね。

30年以上、応援し続けてきた。
ある意味、息子より長く見続けてきた。

あのアメリカW杯最終予選、
イラク戦のショートコーナー。

「ヘディングシュートォォォォ!!」

というアナウンサーの絶叫と、
機関銃で撃たれたかのように
次々にバタバタ倒れる選手たち。

あの惨劇としか言いようがない残存記憶が
いまだに鮮明にまぶたの裏に貼り付いてる。

あるいは逆転されて敗色濃厚な中。

中田英寿のクロスに飛び込んだ
城彰二のヘッドの軌跡。

あるいは先制された直後。

小野伸二のクロスに食らいついて
風呂場ですっ転んだかのような態勢で
伸ばした鈴木隆行の爪先。

あるいはブブゼラの大音響の中。

本田圭佑の無回転フリーキックが
デンマークゴールを揺らした瞬間。

目を閉じればいくつもそんな
鮮やかな場面が色とりどりよみがえる。

「なるようにしかならないんだよ」

いや、頭ではわかってる。
死ぬほどよくわかってる。

わかってるんだけど、どうしてもね。

20年前のドイツW杯でもそうだった。
玉田圭司のゴールに喜んだのも束の間、
ボロカスにやられた。

手も足も出ない。

ブラジルの鼻歌混じりの
楽しいシュート練習を
延々と見せられてるみたいだった。

またあの惨めで情けない図を
見るのは本当に本当に忍びない。

「いや、今回はきっとやってくれるよ」

もちろん、そう信じてる。

あんな惨めな図には今回はならない。
なんなら本当に一泡吹かせてほしい。

「でもね」

この「でもね」って不登校と同じだよね。

「ちょっとはサッカーのこと
考えるのやめたら?」

って言いたくなるよね。

もう見守ることしかできないんだから。

でも宿命的に愛しすぎちゃってるんだよね。

そう。愛なの、これは。

これも愛、あれも愛、
たぶん愛、きっと愛♪

はい、今久しぶりに苦しい見守り沼の中で
純ちゃんのたうち回ってます。

ああ、あと二日の命か。

って今はクロアチア対ガーナを観てる。

クロアチアにも二度、
煮え湯を飲まされてるしな。
(純ちゃんはどこまでもしつこい)

でもって八時半からは
コロンビア対ポルトガルもある。

いやあ、毎日朝から忙しいな。笑

そんなこんなです。

毎日サッカー与太話にお付き合いいただき、
本当にありがとうございます。

今日も良い一日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在21歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。