「こうしたほうがいい」
というアドバイスよりも。
「こんなことはしなくてもいい」
というアドバイスの方が、
現実的な気がする。
特に子どもの不登校に向きあうときは。
そういう意味で「親がしなくていいこと」を
10個にリスト化したのは画期的だと思った。
不登校を解決する鍵は、親の先入観や「よかれと思って」の思い込みを捨てることです。
私が取材を通じて強く印象に残ったのは「いい親」であろうとするあまり、自分自身を追い詰めている親たちの姿でした。しかし、本当に必要なのは「いい親」であろうとするプレッシャーを手放し、子どもに寄り添うことです。学校に行くことを無理強いせず、勉強を押しつけないこと。実はこれこそが多くの親がもがきながらたどり着いた最も効果的な方法なのです。
その「いい親」をやめるために、
具体的にどうするか?
それがこの本の一番の特徴となっている。
- 「出席」「欠席」にはこだわらなくていい
- 学校によく思われなくていい
- 同伴登校はしなくていい
- 親だけで解決しようとしなくていい
- 家族の歩調は合わせなくていい
- 無理な自宅学習はしなくていい
- 会話に目的はなくていい
- 子どもの苦しみを自分に置き換えなくていい
- ゲームは禁止にしなくていい
- 子の居場所は親が決めなくていい
この「しなくていい」のリスト。
たとえば⑤の
「家族の歩調は合わせなくていい」
なんて「え?」ってなったりしませんか?
でもどうしてパートナーとの意見の違いには
目をつぶるくらいのほうがいいのか?
読めばとても合点がいく内容になっている。
大切なのは考え方の違いを正すことではなく。お互いに共通している部分を見つけることです。(中略)
最も大切な一致点は、「子どもに元気でいてほしい」「決して命を落としてほしくない」ということではないでしょうか。どんなに意見が対立したとしても、この思いはきっと共通しているはずです。
そしてその夫婦の話し合いは
子どものいない場所でする――など、
現実的なアドバイスが満載で
とってもよかった。
個人的に一番響いたのは
こう力強く言い切っているところだ。
義務教育の9年分の学びを取り戻すのに9年もかかるわけではありません。本人に学ぶ意欲があり、健康なら、だいたい1年くらいで取り戻せるものです。ですので、たとえ長い間学校に行かず家にいたとしても、そんなに焦る必要はありません。
どうですか?
400人以上の当事者に取材してきた
石井さんがこう言い切ってます。
ここはひとつ、勉強のことだけでも
もっと大らかに見守ってみませんか?
私は、親が「頑張らなきゃ」と思うのをやめることは、不登校解決の一番の近道だと思っています。親自身の先入観や、いい親になろう、親としてこんなふうに言われたくないという気持ちを捨てたことで、ラクになった親たちをたくさん見てきました。
親が「頑張らなきゃ」と思うことを
やめることが不登校解決の一番の近道。
この逆説は僕も大いに実感するところで。
多くの方に届いてほしい一冊です。
今日も良い1日を。

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