もともとトンネルなんてなかった

 

 

昨日に引き続き――。

金子の純ちゃんの熱い演説を聞きたい人、

「この指止まれッ!」

いつもお読みいただき、
ありがとうございます。笑

不登校を克服するとか、乗り越えるとか。

そういう言葉いが嫌いだと昨日書いた。

不登校のスタートとゴール

2025.02.07

「ちょっとした言葉の差じゃない?」

あなたはそう言うかも知れない。

いや、僕もかつてはもしかしたら
そう思っていたかも知れない。

でもね、ココって実は
とっても大きいポイントなんだよね。

とっても大きいポイントなのだ。

というのも――。

不登校は打ち勝つものでも
乗り越えるものでもないんです。

どういうことか?

打ち勝つという言葉を僕らが使うとき。

その対象は「悪いもの」ですよね?

乗り越えるという言葉を僕らが使うとき。

その対象は「立ちはだかる壁」ですよね?

不登校は、悪いもので立ちはだかる壁。

――その認識が違う、と言いたい。

悪だの壁だのという認識があるから、
それに対応する言葉、つまり
打ち勝つや乗り越えるが使われる。

つまり、その言葉を使うとき、
深層心理では不登校のことを
悪だの壁だの思ってる。

そうですよね?

その世間の価値観から自由になること。
強固な思い込みから解き放たれること。

それこそが親にとっての
不登校の解決だと僕は思っている。

決して学校通うようになれば
めでたしシャンシャンじゃない。

学校行こうが、行くまいが。
会社で働こうが、働くまいが。

「そんなの関係ねぇ(小島よしお)」

なぜか?

この子はこの子のままで
今のままで全然素晴らしいから。

いつかきっと自分で自分の人生を
切り開いて歩んでいくから。

そう心から信じられるようになること。

たとえ昼夜逆転のゲーム三昧で
今は全然そう見えなくとも!!!

それが親にとっての本当の
不登校の解決だと僕は思っている。

きっと僕がいったい何を言っているか

「じぇんじぇんわかりましぇ〜ん」

という方は多いと思う。

「昼夜逆転のゲーム三昧はダメっしょ?」

と感じる方も多いと思う。

でもね、悪いけどこう見えて10年以上、
不登校と僕なりに真剣に向き合ってきた。

不登校について、累計70人の方々に
それぞれ3時間以上インタビューしてきた。

「大丈夫マイフレンド」

そうしてこの境地にたどり着いていることは
声を大にして言わせてもらいたいかな。

最後に、僕らが発行している
不登校インタビュー事例集
『雲の向こうはいつも青空』最新号から、
長阿彌幹生さんの言葉を引用する。

やっぱり不登校のことを否定的に捉えてる間は不安で「どうなるのかな?」って思いますよね。

ところが不登校のことを否定も肯定もなく、今はただ不登校なんだなと。家から出られないんだなと。「これからどんなふうにして応援ができるかな」とか、そんなふうに落ち着いて考えることができるようになってからの「どうなるのかな?」っていうのは、「まあ、なんとかなるだろうけれど、どうなっていくかはよくわからんな」という感じですよね。見ている方向の明るさが違うというか、見ている世界の明るさが全然違ってましたね。

気がついたらトンネルの外にいた。もっと言うと、もともとトンネルなんてなかったんだなっていう、そんな実感ですよね。

真っ暗なトンネルなんていうのは自分がつくってたんだと。そういう解放感がありました。扉がパカッと開くというよりも、いつのまにか開いていて。それにしみじみと思いあたるわけです。(『雲の向こうはいつも青空』Vol.10)

もともとトンネルなんてなかった。
真っ暗なトンナルは自分がつくっていた。

そのことに気づくことこそが大切で。

不登校をマイナスだと思っていること、
それ自体が違うんだと。

早期の学校復帰が重要だとかなんだとか、
そんなのちゃんちゃら馬鹿げた話なんだと。

たくさんの身近な例を見聞きして、
自分の息子の10年の不登校ライフを経て
今、僕がたどり着いたのはこんな地平だ。

あなたに届くといいのですが。

今日も良い1日を。

P.S.
とはいえ――。

揺れてしまうのが不登校の子を持つ親の常でもあります。
大切なのは情報と繋がりです。
情報はぜひ、びーんずネットの書籍を。
繋がりはぜひ、びーんずネットのお散歩会で。
ちなみに来週末の熊本の散歩会は満席でしたが、キャンセルが出て残席1名あります。よろしければぜひ。

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2 件のコメント

  • 「じぇんじぇんわかりましぇ〜ん」
    ⇨いえいえ、めっちゃわかります!!そして、少しでも読んでいる相手の心に届けようという熱い思いも伝わってきます!

    かつて、不登校に精通した医師に言われたことを思い出しました。子の強迫的な症状がどうしたら減るのかを相談した際のことです。
    「症状が出るほど辛い状態にある心を見ずに、目の前の症状に囚われている限り、その症状はなくなりません」
    それを聞き、症状もひっくるめて子供を認める、引き受ける、愛おしい気持ち、それらが湧いてきました。

    不登校は親に子供の幸せとは何か、を改めて突きつけられている、問われている気がします。
    結果、登校させることよりもっと大事なことに気づけました。
    ただ、「スダチ」信奉者の友人にはじぇんじぇん伝わりましぇ〜ん。

    • コメントありがとうございます。そう仰っていただけて嬉しいです!

      >「症状が出るほど辛い状態にある心を見ずに、目の前の症状に囚われている限り、その症状はなくなりません」

      本当にその通りだと思います。究極、学校行く・行かない、じゃないんですよね。誤解を恐れず言うなら「そんなのどーだっていい」というか。

      でもココが最も、世間の人たちに理解されにくいところでもあり。笑

      >少しでも読んでいる相手の心に届けようという熱い思いも伝わってきます!

      あ、ありがとうございます。涙x3乗

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在20歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。