「こっち側」に来ないと見えない景色

 

 

今日は「言葉尻純ちゃん」です。

まあ、ある部分、昨日の続きでもある。

解決するんじゃないんだよ

2024.10.10

今日のお題は「立ち直る」と「対策」。

まず「立ち直る」。

不登校・ひきこもりから立ち直る、
という言い方が気に食わない。

いや、本人がそう思っていて、
そう口にするのは一向に構わない。

でも親や周囲が
「立ち直る」という言葉を使うとき――。

そこにはこういうニュアンスがある。

  • 前は良くなかった、望ましくなかった
  • 今は望ましくなった、問題がなくなった

そうですよね?

え?
「立ち直る」の何が問題かわからない。

という人もいるだろう。

僕も今の活動をしていなければ、
全く問題にも思わなかったかも知れない。

でもこれって根っこが深いと思っていて。

不登校は「解決」する話じゃない、
というのはしつこいけど昨日も書いた。

解決するんじゃないんだよ

2024.10.10

同じ意味で。

不登校は立ち直るものじゃない。

不登校は学校に行っていないという、
ただそれだけの状態だ。

立ち直るとか、悪い状態と考えること。

それこそが実は問題なのだ。

あ、しつこいけど本人自身が
不登校を悪い状態だと思っていて、
過去を振り返ってそう言うのは
全然いいんですよ。

本人以外の周りが言うのは違う、
という話です。

あともう一つ。

行政や教育関係の人が、不登校に対して
「対策」という言葉を使うのも、どうか。

対策、じゃないんだよ。

対策という言葉には不登校の数を減らす、
というニュアンスばかり感じてしまう。

不登校は減らさなくていいんだよ。

注力すべきはそっちじゃない。

不登校で傷つく親子を減らすんだよ。

不登校によって現実的に
不利益を被っている現状を変えるんだよ。

内申点で進路が狭まったりなんだったり、
具体的にはそういう障害を除去していく。
学校以外の道筋をしっかり整えていく。

不安や心配で揺れる親子に、
安心や希望を感じられる相談先を
充実させてしっかりモレなく繋いでいく。

「不登校でも大丈夫。まったく問題ない」

大切なのはみんながそう思えることであって、
個人としての責任で勝手に立ち直らせたり、
不登校の数自体を減らすことを考えたり――。

そっちじゃないってば!

問題じゃないし、解決じゃないし、
立ち直りでも対策でもない。

そういう言葉が潜在的に含む価値観こそが、
不登校に対する社会全体の偏見の強化に
がっちり繋がっているとさえ思っている。

わかりますかね?
アタクシの言ってる意味。

「わかる、わかる」

という人の方が圧倒的に少ないと思う。

「ただの揚げ足取りみたいに見える」

そんな人が多いんじゃないかしらん。

でも今、これを読んでいるあなたには、
いずれ「わかる、わかる」の日が来る
可能性はあると思っています。

子どもの不登校という、このまだまだ
マイノリティーの世界にある意味、
強制的にひきこまれている方だから。

「こっち側」に来ないと見えない景色、
でもある。

でも純ちゃんは「こっち側」の景色、
見られて人生豊かになったな。

決して強がりでもなんでもなく。

そんなこんなです。
あなたに届くといいのですが。

今日も良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。