「あなたは人生を自分のやり方に
ひっぱりこもうとしすぎる」
という言葉がなぜかふと、
今朝起きて突然思い浮かんだ。
人生を自分のやり方にひっぱりこむ――。
えーっと、誰の言葉だったっけ?
少し考えて思い出した。
村上春樹の『ノルウェイの森』の
レイコさんの言葉だ。
懐かしくて、本棚から引っ張り出して
下巻をパラパラ読んだ。
しかし本当に素晴らしいな、この小説。
そして件の箇所を見つけた。
背景やストーリー全部抜きにして
ここだけ読んでみても、改めて
この言葉は真だなあと思った。
引用する。
そんなふうに悩むのはやめなさい。放っておいても物事は流れるべき方向に流れるし、どれだけベストを尽くしても人は傷つくときは傷つくのです。人生とはそういうものです。偉そうなことを言うようですが、あなたもそういう人生のやり方をそろそろ学んでいい頃です。あなたはときどき人生を自分のやり方にひっぱりこもうとしすぎます。精神病院に入りたくなかったらもう少し心を開いて人生の流れに身を委ねなさい。私のような無力で不完全な女でもときには生きるってなんて素晴らしいんだろうと思うのよ。本当よ、これ! だからあなただってもっともっと幸せになりなさい。幸せになる努力をしなさい。
初めてこの小説を読んだのは
確か高校2年生のときだったかな。
ページをめくる手が止められなくて、
徹夜で無我夢中で読んでいた。
ただ、このレイコさんの手紙を
読み終わったらもう寝ようと思った。
そして栞をはさもうと次の第十一章、
218ページを開いた。
でもその最初の一文、
「直子が死んでしまったあとでも〜」
がうっかり目に入ってしまって――。
脳味噌に電流が走ったのを覚えてる。
そのまま読むのをやめることなんて
絶対にできっこない。
ついに眠らず最後まで一気に読み通した。
そんな個人的な感慨もある。
何が言いたいか?
人生を自分のやり方に
ひっぱりこみすぎてはいけない。
心を開いて流れに身を委ねなさい。
幸せになる努力をしなさい。
いや、本当にそうだと思いませんか?
今日も良い1日を。
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レイコさん、いい言葉ですね。
僕も最近、この小説を読み返しました。
田中先生、コメントありがとうございます。いい言葉ですよね。