中学2年生の女の子の話だ。
勉強の重圧が苦しかった。
最初は軽く相談するつもりだった。
「明日、学校へ行きたくないのだ」と。
ところがそれを親に話しているうちに
感情が高ぶり、涙が止まらなくなった。
話し合いは深夜まで続いた。
結果、両親からこう言われた。
「将来、困るのはあなたなのだから、がんばっていきなさい」(父親)
「ひとまず明日、学校へ行ってみて、ムリだったらあきらめよう」(母親)
不登校ジャーナリストの
石井しこうさんの新刊、
『学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること』
の第3章「家族のこと」の中の
「学校がいやな気持ちを、
親がわかってくれない」
に出てくるエピソードだ。
将来困るのは自分だからがんばれ。
ひとまず行ってみてムリかどうか探ろう。
ついつい親は将来を見越して
そう言ってしまいがちなのだけれども――。
どうしてそう言うことがいけないのかが、
骨身に沁みてわかる一冊だと思った。
タイトル通り、不登校の子たちに向けて
不登校経験者の石井さんが語る内容だ。
でもこれを親が読むことで、子どもの
行動の裏にある心理状態を理解するのに
とても役立つ内容だとも思った。
帰省は希望者だけでが原則。
帰省しない理由は
体調不良(うそ)でけっこう。
週1登校でホメられるのは辛い。
なぜならそのホメは
「今の子どもの状態」
を無意識に否定するものだから。
不登校を理由にお小遣いを
減らされることにはしっかり抗議を。
「親への抗議文」の文例もしっかり掲載。
昼夜逆転生活でも家族に気兼ねなく作れる、
音や光に配慮したひきこもり飯のレシピも。
(これ地味に面白かった)
などなど。
事例もアドバイスもとても
具体的かつ現実的なので、読んで
救われる子はとても多いと思うし、
気づきを得る保護者も多いと思う。
全編良かったけれど、僕はやっぱり最後の
「いつになったら不登校を抜けて、
新しい一歩を踏み出せますか?」
のこの石井さんの言葉が一番響いた。
「そんな日が来たらいいなあ」と思うでしょ。では、そのためのコツを教えます。
自分が「楽しい」と思うことを毎日すること、です。(中略)もし楽しいことが何もないという人は、今、抱えている「つまらないこと」を捨てましょう。
「勉強しなきゃ」とか「将来のことを考えなきゃ」とか、そういう思いが足かせになっているはずです。だから1日5分だけでも「絶対に勉強しないぞ」とか「将来のために、なんの得にもならないことをするぞ!」と思って過ごしてください。
これ、不登校に限らずで。
実は大人にもしっかり
あてはまることじゃないだろうか?
もし楽しいことが何もないという人は、今、抱えている「つまらないこと」を捨てましょう。
胸に刻んでおきたいところだよね。
つまらないは捨てる。楽しいを毎日する。
今日も良い1日を。

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