静岡マラソン2025完走記

 

 

 

みなさま、カネコジュンイチやりました!!!

本日の静岡マラソン2025、3時間29分59秒。なんと1秒切ってのサブ3.5達成。

狙って出来る芸当じゃないですね。笑

ラスト10数秒はゴールゲートの電光表示見ながら全力疾走。とにかく脚がもつれて転倒だけはしないように気をつけながら、脳内スローモーションになってました。

間に合ってホント良かった。

9年前に出した3時間23分に次ぐセカンドベスト。
ビール買って9年分の自分に勝った53歳の自分に乾杯!――しながらこれから新幹線で帰ります。

やったぜベイビー!

と昨日のゴール後、新幹線に乗ってすぐ
僕のFacebookのタイムラインに書いた。

3時間29分59秒。

本当にこれ以上ないくらい
ドラマチックな結末だった。

ここからは備忘録として、
昨日の詳細をつらつら書いてみようと思う。
よろしければお付き合いください。

※注意:長文です。お時間あるときにどうぞ。

あの轍はもう踏まない

朝7時20分からCブロックの先頭に並んだ。
体力を温存するため一人、体育座りする。

そんな中。

「え? ペーサーがいるんだ」

8時前に「サブ3.5」の旗を背負った
ペーサーがCブロックの先頭に来たのだ。

「ワオ。ラッキーかも」

ペーサーについて集団で走るのと、
孤独な一人旅をするのとでは
42kmという長丁場を走る上では
ものすごく大きな差が生まれる。

ペーサーについて走ればやっぱり楽だ。

と思いつつも、ペーサーがどれくらいの
ペースで走るのかが気になった。

サブ3.5、つまり3時間29分台で走るには
1km4分58秒が平均ペースになる。

でもペーサーって確実に記録達成させるために
前半けっこう飛ばす傾向があるんだよね。

と思っていたら、誰かが僕の頭の中の疑問を
ダイレクトにペーサーの人にしてくれた。

「今日はどれくらいのペースで走りますか?」

「例年この場所だとスタートのタイムロスが
多分3分くらいあるんですよね。その分、
ハーフまではキロ4分50秒で詰めて走ります」

「ネットで3時間半じゃないんですか?」

「グロスで3時間半で走ります。ハーフまで
詰めた後はイーブンで行くと思いますが」

ハーフまで前半は1km4分50秒を切る。
スタートのロスを取り戻すために。

これはまさに、去年の僕の
静岡マラソンの失敗そのものだった。

静岡マラソン2024完走記

2024.03.11

グロス、つまり号砲が鳴ってからの
タイムロスも含めて3時間半を切る。

スタート時のロスを取り返すために、
去年は1km4分58秒でなく、
4分50秒を切るペースで前半走った。

そして32km地点で力尽きた。

あの轍はもう踏まない。

ペーサーについて走りたい。
その気持ちは強かったけど、
去年のあの悔しさを思い起こした。

早くも試練が訪れる

スタート前、風が強く寒かった。
震えるような寒さだ。

これはきっと、25kmから35kmの
海沿いの道はもっと強風が吹くだろう。

そして8時20分、号砲が鳴る。

昨日も書いた通り、
ペースについては大いに迷っていた。

今日は予約投稿

2025.03.09

正直、1km5分5秒ペースで、
3時間35分狙いにしようかとも思っていた。

あまり深く考えずに
最初の1kmの結果で決めることにする。

1km通過。4分53秒。

これで腹が決まった。

つまり、予定通り3時間29分を目指す。
そして4分50秒台で走り続けた。

サブ3.5のペーサー集団は
事前の宣言通り飛ばし気味だった。

少しずつ集団が遠ざかっていく。
これは精神的にキツかった。

でも仕方ない。

俺は4分58秒のイーブンペースで、
グロスではなくネットで3時間半を目指す。

そうやって走るも早くも
10km手前で試練が訪れる。

9kmのラップが5分を超えてしまったのだ。
続く10kmも5分越え。

記録を狙って走るなら、ペースは
何があっても落としてはいけない。

下がるのを許してしまってはいけない。

それも30km過ぎてならまだしも、
10kmなんて鼻クソみたいな距離で
ペースが落ちたらもうアウトだ。

気力奮ってなんとかギアを上げる。
10kmで最初のエナジージェルを取る。

幸い、12kmから15kmくらいは
静岡の目貫通りを走ることもあって
沿道からは大歓声の嵐だ。

そんな中を走れば自然とペースも上がる。
なんとか持ち直した。

レース中のエナジージェルについて

僕は基本、普段は
エナジージェルを取らない。

30km走でもあえてジェル無しで走る。
レース本番に限って取るようにしている。

なのでね、普段にはないとびきりのご褒美、
それがレース本番のエナジージェルで。

これがテキメンに効くのだ。

ただし時間差がある。
10km地点で取ったエナジージェルが
効いた感じがしたのは17kmくらいだった。

脚が軽い。キロ4分台ペースが楽だ。
でもまだ抑えろ。行くのは早い。

そんな脳内会話をできるようになった。

ハーフを通過。

「今日はイケるかも知れない」

決して調子がいい訳ではなかった。
でも悪くもない。堅実に淡々と走れてる。

勝利の予感が徐々に高まる。

って「ドーピング」のおかげなんだけど。笑

追いついてしまえばラクなはず

ずんちゃか大太鼓隊が盛大に応援してくれる。
ウルっと涙が出るくらい嬉しい。

「今日はこのまま行くぞ!」

気分とともにペースも自然と上がっていた。

そうしたら――!!!

あれは確か23km過ぎくらいだったと思う。

なんとなんと、居たのだ。
長い直線のゆるやかな坂のはるか彼方に!

サブ3.5ペーサー大集団が。

箱根駅伝なんかもそうみたいだけど、
相手の姿が見えると「追う立場」としては
俄然、有利なんだよね。

目の端にペーサーの旗を入れ続けながら、
ペーサー集団に追いつくことにした。

ハーフまではキロ4分50秒で飛ばすけど、
後半はイーブンで走ると言っていた。

一度追いついてしまえばきっとラクなはず。

特に25kmからの海沿い10kmは強風だろう。
そんな中で集団走できるのは絶対に有利だ。

その一念で数キロかけて
ジリジリと集団を追い上げる。

26kmのラップは4分38秒、
27kmは4分39秒まで上げた。

おかげで見事、集団に追いつく。

「やった、これでラクになれる」

と思った。でも全然ラクになれなかった。

4分38秒なんていう、ものすごく
ギアを上げて走ったから息も盛大に切れる。

でも集団は全然ラクじゃなかった。
普通に涼しい顔してこの人たち
4分50秒ペースで走り続けてる。

「話が違うじゃんよ!」

でも仕方ない。
ペースは上げることはあっても
絶対に落としてはいけない。

幸い、海沿いの強風の影響は
集団のおかげでさほど
ストレスにはならなかった。

そのままなんとか集団に食らいつく。

ロクでもない長くゆるい坂

32キロを通過。残り10km。

去年はここで心が折れた。

でもどうにかこうにか、
今年はまだ4分50秒で走れてる。

あと10km、石にかじりついてでも
この集団についていけ!

気力を奮い立たせ、なんとか集団につく。

そしてあのロクでもない
お約束の長くゆるい坂がやってきた。

静岡マラソンは高低差が少ない。

でもこの33kmくらいから35kmまで、
気づくか気づかないかくらいの
長い長い、ゆるーい坂がある。

毎年毎年、必ずここで消耗する。
本当にロクでもない坂なのだ。

お約束で今年も完全にやられた。

ペーサー集団があっという間に遠ざかる。

何キロもかけてやっと追いついたのに、
置いていかれるときは一瞬だ。

嫌がる身体に鞭打って進む

35kmのラップはついに
5分10秒まで落ちてしまった。

35km地点の折り返しの青いマットを踏む。

「さあ、でもここからはもう下りだけだ」

と期待をしていたのだけれど、これまた
微妙なゆるい上りもあったりして、
残念ながら脚は完全に売り切れた。

もう腰から下は、見知らぬどこかの誰かの
「脚っぽい何か」みたいになり下がってる。

ぜんぜん動かない。棒立ち。亀走り。
36kmのラップは遂に5分25秒まで落ちる。

まずい。
このまま落ちたらサブ3.5がおじゃんになる。

完全に亀走りになりつつも、ここからは
もうただただ根性だけでしかない。

嫌がる身体に鞭打ってとにかく前に進む。

その甲斐あって37kmのラップは
4分57秒に回復する。

ちょうどそのとき

「ジュンイチさん!」

と声がして、振り向くと
去年も沿道で応援してくれたIさんが
手を振ってくれているのが見えた。

ありがとう。一番キツいココで、
本当にありがたい。めちゃ元気出た。

残り5km、絶対に粘り切るぞ。

ネットでは確信した。グロスでは?

でもやっぱりキツかった。

脚は攣る寸前。
息は切れる。空中を泳ぐ感覚。
まともに頭が働かない。

でもこんなインチキな亀走りフォームでも
なんとかキロ5は切れてるのだ。

38km通過。39km通過。

なんとかキロ5はギリ切れてる。

ここでネットタイムでなら3時間半は
まず切れるだろうことは確信した。

「グロスでは?」

去年よりはスタートのタイムロスは
短い気はしていた。

もしかしたら、もしかして、もしかすると
グロスでも、なくはないかも知れない。

そう思って亀走りながら全力疾走を続ける。

念願の41kmの表示。

ゴール手前の曲がり角、
清水エスパルスのサンバ隊の
盛大なずんちゃかが聞こえてくる。

角を左折。そのサンバ隊の前を走り抜ける。

もちろんフロンターレのユニ着た僕に、
サンバ隊は盛大な応援を送ってくれる。

「おー、がんばれフロンターレ!」
「行け行け行け行けフロンターレ!」

嬉しくて涙で視界がにじむ。

行けるぞジュンイチ

全力疾走で心臓が口から飛び出しそうだ。

最後のゴール前のストレート。
鈴なりの人たちの大歓声。

全力疾走する僕をみて何人かが大声で叫ぶ。

「まだ行けるよ、行ける行ける、がんばれ」

彼方にゴールゲートが見えてくる。
見ると電光表示が3時間29分48秒と出てた。

「行けるじゃねーか!!!!!!!!」

29分49秒、50秒、

行けるぞジュンイチ、グロスでサブ3.5。

51秒、52秒、

落ち着け。
今ここで一番やっちゃダメなのは、
脚をもつらせて転倒することだ。

53秒、54秒、

大丈夫、残りの距離を考えれば
たぶん1秒か2秒前には飛び込める。

とにかく絶対に転ばないこと。

55秒、56秒、

いや、ダメだ!

このままだと間に合わないぞ。
もう転んでもいい、全部突っ込め。
絶対にあと3秒でゴールに飛び込むんだ。

57秒、そして58秒、

「ゴール!!!!」

一気に景色が総天然色に戻って
歓声が耳に入ってきた。

ブワッと涙があふれる。

やった、やりやがった。
やってのけやがった。

みなさま、カネコジュンイチやりました!!!

本日の静岡マラソン2025、3時間29分59秒。なんと1秒切ってのサブ3.5達成。

狙って出来る芸当じゃないですね。笑

ラスト10数秒はゴールゲートの電光表示見ながら全力疾走。とにかく脚がもつれて転倒だけはしないように気をつけながら、脳内スローモーションになってました。

間に合ってホント良かった。

9年前に出した3時間23分に次ぐセカンドベスト。
ビール買って9年分の自分に勝った53歳の自分に乾杯!――しながらこれから新幹線で帰ります。

やったぜベイビー!

 

  • ネットタイム:3分28分11秒
  • 平均ペース:4分53秒
  • 平均心拍:152bpm
  • 平均ピッチ:187spm
  • 平均ストライド:1.09m

 

と、一気にここまで書いて疲れた……。

きっと読むみなさんも疲れてると思うので、
今日はこの辺で。笑

「やったぜベイビー!」

良い1日を。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在20歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。