大学に行って60歳まで働いて死ぬ人生

大学に行って60歳まで働く人生

昨日の夕食。
うちの奥さんは帰りが遅くなるので、
オイルサーディンと春菊の
パスタを作って忍介と食べた。

「苦くない、これ?」

一口食べた忍介13歳が言う。

ああ、春菊が苦手なのね?
まだまだ味覚はお子さまだな。笑

わかった、じゃあ春菊を除けて食べなよ。
そんなこんな、父と子の夕食。

ちょうどデモクラティックスクール
休学明け初日だったので、どうだった?
と聞いてみた。

「いやぁ、楽しかったよ」と忍介。

「で、休学している間、
勉強は思うようにできたの?」

ちょっと踏み込んで聞いてみた。

そしたら、いきなり怒涛のように
言葉があふれ出た。
味覚はお子さまだけど、
言うことは結構な本格派、耳が痛かった。

曰く—。

大学に行って60歳まで働いて死ぬ。
そういう人生にぼくは興味ない。

でもイヤイヤながらでも勉強をしているのは
世間と大人がそれを求めているから。
それがルールというか
デフォルトになっているから。

嫌だけど、大人が世の中の仕組みを
ぜんぶ作っている。
法律だってそう。
1%の人間の正義を、
残り99%に押し付けてる。

結局、大学に行って
好きなことを仕事にしてぼくハッピーです、
って言うのを大人は聞きたいんでしょ?
世間の基準ってみんなそれじゃん。

大人は自分の価値観に合うようにしか
子どもを見ていない。見ようとしない。
最初から答えが決まってる。

みんな自分の価値観を
人に押し付けているだけ。
そのくせお互いわかったふりをしあってる。

ああ、そうですね、その通りです、
なんて言いながら、
ちっともそんなこと思っていやしない。
嘘ばっかりだ。

・・・・・・・・・・

云々かんぬん。

ああ!
そう言えば僕もかつて
こんな風に思っていたなあ。

で、このシーンで
一番やっちゃいけないことなんだろうけど、
うっかりそう口にしてしまう。

口にした瞬間、あ!しまった、
この類の大人の発言も死ぬほど嫌だった、
と思い出した。

「そうやってわかったふりするよね。
自分は違う、味方だよみたいにさ」

案の定、ため息とともに言われてしまった。

去年までの僕であれば、
こんな風には息子の話を聞けなかった。

それ以前に多分、
最後まで聞かなかったと思う。
ただの中二病、と。

でも、大学は出たけれど、
60歳まで会社員として安全に身分を
保証される人生を放棄した46歳には、
響くものが多い言葉だった。

一応誤解なきように言うと、
僕もうちの奥さんも勉強しろとか、
大学へ行けとは言っていない。

あくまでも彼が自分で色んなことを
見聞きする中で感じている、
息苦しさへの表現だと思う。

特に何がどう、という話じゃない。

ただ記録のためにも、
書き残しておきたいと思った所存。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子は小学三年生の時に不登校になり、小・中学校には通うことなく卒業しました(現在19歳・大学生)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』や各種書籍の出版をしています。