うまくいかない体験をしっかり味わう

うまく行かないことをしっかり味わう
注:今日の記事は不登校とはまったく関係ありません。

え?
お前いつも関係ないじゃないか、って?

まあ、いいじゃないですか。笑
今回はただのマラソン完走記、長文です。

絶好のコンディションに計画を変更する

昨日の湘南国際マラソン。
当初立てた目標は3時間29分だった。
1kmを4分58秒ペースで走る計算だ。

マラソンで一番大切なのはペースだ。

1kmあたり10秒違うと、
42kmでは420秒つまり7分違ってくる。

早すぎず、遅すぎず、
決めたペースを守ること。
守り続けること。それがキモだ。

ペースは4分58秒。そう決めていた。
スタートしてすぐに「3時間30分」の
ペースメーカーを見つけたので、
まずはくっついて走ることにする。

でもペースメーカーは
最初は飛ばす傾向がある。そのときは
1km4分50秒くらいのペースで走っていた。

最初の5kmのラップは25分7秒。
スタート時のタイムロスが45秒あったから、
正味24分22秒、1km4分52秒ペースだ。

ちょっと早かったんだけど、
5kmを過ぎてペースも呼吸も安定すると、
逆に新しい気持ちを抑えることが
どうしてもできなくなった。

”自己ベストを狙いたい”

曇天、気温10度と
コンディションは絶好だった。

僕は暑さと日差しと向かい風が
苦手なんだけど、
昨日は肌寒くて日差しは全然なかった。
走っていてこれ以上ない気候だった。

試しにペースメーカーの前に出て
キロ4分40秒まであげてみる。

4分40秒は滅多に出すことのない、
僕には相当に早いペースだ。
でもこれが全然苦しくない。
きっと絶好のコンディションのおかげだ。

そのまま飛ばすも、、、

通常であれば、
まだ10kmも行かないのに4分40秒に
上げるのは完全な「暴走」だ。

自己ベストを出した2年前は
25kmを過ぎて調子がよかったから
4分40秒にあげて3時間23分で走れた。

でも昨日の僕はイケイケだった。

大丈夫。粘れるところまで粘って、
あとは落ちるのを最小限にとどめたら、
3時間20分もあり得る。
そう思ってそのまま飛ばした。

10km、15km。まったく問題なく進む。
1kmのラップは時に4分30秒台まで上がる。

自己ベスト達成を頻繁に思い描く。

でも20km手前の江ノ島の折り返しを過ぎて
逆方向に進み始めて向かい風を感じたとき、
途端にペースの維持に努力が必要になった。

ハーフ過ぎできつくなるのは想定外だった。

余裕がなくなるのが、
いくらなんでも早すぎだった。

なんとか周りでいいペースで走っている人に
くっついて遅れないように走る。

でも25kmを過ぎたくらいから
人に抜かれることが増えた。
ペースが目に見えて落ちていた。

そして迎えた29kmすぎの
湘南大橋のゆるい上り坂。
もうまったく余力が
なくなっていることに気がついた。

たまらず一旦歩く。

ハイペースで30km近く飛ばしてきたので
脚は完全に売り切れ。古びて
カチカチになった革のグローブのように
もうボロボロだった。

残り12km

30kmを通過。
タイムは2時間26分だった。あと12km。

まだ12kmもあんのかよ?
もう走るの無理だってば。

そう思うのだけど、
なにせ前半に稼いだ貯金がある。
投げ出してしまわなければ、
例えばキロ5分で走ればちょうど60分、
まだ3時間30分を切る目はあるんだ。

必死にそう言い聞かせる。
その一念で交互に脚を前に出す。

沿道からは途切れることなく
あたたかい応援が届く。
エイドではボランティアのみなさんが
頭がすっ飛ぶほどの
熱烈な声援を送ってくれる。

でも、まるで大リーグボール養成ギブスを
つけて走っているみたいだった。
左膝に危険な痛みがあって、
まともなフォームで走れない。
右に傾いて走っているのが自分でわかった。
とにかく泳ぐようにもがき続ける。

そして現実は無情だった。

ザッザッザッザ、と集団の足音が近づいきて
まるで潮が徐々に満ちるみたいに
後ろからランナーの群れが僕を包み込む。

3時間30分のペースメーカーの集団だった。

集団に追いつかれ、飲み込まれる。
ちょうど38km地点を過ぎたところだった。

自己ベストはもういい。でも、
なんとかこの集団についていきたい。

3時間30分を切る、というのは
最終防衛ライン、
最後のモチベーションだった。

必死に食らいついていこうと
ペースを上げようとしたら、嗚呼!
右ふくらはぎが攣ってしまった。

同志達とゴールを目指す

ストレッチと屈伸を繰り返しながら、
調子に乗って飛ばした前半の
自分の浅はかさを呪う。能天気さを恨む。

でも呪って恨んでみたところで
時計はどんどん進んでいく。
前半のようにキロ4分台で
走れるようになるわけじゃない。

早歩きみたいなペースでもなんでも、
とにかく前に進むしかない。

ままならない身体がうらめしい。
悔しい気持ちでいっぱいだった。

でも、同じように苦しい思いをしながら
必死にゴールを目指す
見も知らぬ同志達の姿を見ると、
そんなネガティブなことばかり考えるのは
やめようと思い直した。

41kmの表示を過ぎてしばらく進むと
「残り1km」の表示があった。

ゾンビみたいに走っていたからだと思う。

たくさんの人たちが
大きな声援を送ってくれた。

「あと1キロだよー!ナイスラーン!」

嬉しくて涙腺が決壊した。

そう、あとたったの1000メートルだ。
1000、指折り数えればゴールなんだ。
最後の気力を奮う。歯をくいしばる。

そうしてようやく、ほうほうのていで
なんとかゴールにたどり着く。

タイム、3時間37分52秒。

うまくいかない体験をしっかり味わう

沿道の途切れることのない温かい応援と、
エイドのボランティアの方々の熱い声援。

そして一緒にゴールを目指す
無数の見知らぬ同志達に、
励まされ、支えられ、
勇気付けられたレースだった。

そして、改めて思った。

こうしてうまくいかない体験をするのも、
時に必要だなあ、と。

うまくいかない時の
うまくいかない、その気持ち。
ままならないこと、恨めしいこと、
悔しい思いをすみずみまで味わう。

いい経験だったと思う。

そんなこんなの3時間37分の「旅」だった。
ほろ苦くもガツンと残るものがある、
充実した時間だった。

最後に、お礼を。

応援してくれたみなさん、
運営を支えてくれたみなさん、
そして一緒に走ったみなさん、
本当にありがとうございました。

みなさんの存在がなければ、
ゴールに辿りつけなかったと思います。
感謝しかありません。

本当にありがとうございました!

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ。 息子の忍介は書字の学習障害と軽度の発達障害があり、小学三年生の時に不登校になりました(現在通信制高校1年生・忍者好き)。 不登校や親子関係の悩みについて、セミナーや講座をお届けする「びーんずネット」の事務局を担当しています。趣味はマラソン。不登校をテーマにしたインタビュー事例集『雲の向こうはいつも青空』を出版しています。