ちょっと前に録画していた
NHKクローズアップ現代の
「ひきこもり死~中高年
親亡きあとの現実~」を見た。
ひきこもった末、
栄養失調によって衰弱死した56歳の人。
93歳の親が亡くなった後、
遺体と1ヶ月以上も暮らした61歳の人。
重い話だった。
周囲が何もしていない訳じゃない。
実際、衰弱死した男性の所には
市の職員が何度も助けようと訪れた。
病院へ行くよう何度も説得した。
このままだと死んでしまう、と。
でもそれは受け入れられず、
結果、男性は衰弱死した。
本人が希望しない以上、
強制することはできなかった。
どうすればいいのか?
いろんな要素があるから
「こうすればいい」という
シンプルな解はないと思う。
番組を見ていて思い出したのは、以前読んだ
田口ランディさんの文章のことだった。
ひきこもっている人は
対人関係が苦手な人が多いんじゃないか?
そういうふうに思っている人って
結構多いと思う。
田口さんの友人は50代、
高学歴で有能なビジネスマンだった。
ガンを患ったことからうつ病になり、
10年間自宅にたてこもり続け、
そして最後は一人、衰弱死した。
周りにSOSを出す、
つまり自分の弱みを他人に見せることなど、
考えもしなかった。
働けていない自分を受け入れなかった。
福祉課の世話にだけは死んでもなりたくない
と言い、福祉課の人が訪ねてくると
全身全霊で「普通の人」を演じた。
周りは敵なのだ。特に福祉課は敵なのだ。彼を支援しようとする人は、彼の敵みたいだった。
福祉課が敵でなくなるにはどうしたらいいのかな、そこを考えていかなければなあと思う。どうしたら味方になれるんだろう。福祉行政側は、自分たちが「たてこもっている人の敵」なんて思ったこともないだろうけれど、一度はそういう視点に立ってみるのもいいんじゃないかなと思う。
と、田口さんは書いている。
こんなゴミ屋敷に住んで、栄養状態も悪い。
死んでしまうからなんとかしないと!
目の前の景色が強烈だから、そう思う。
でも
「どうしたら味方になれるんだろう」
という観点、これも長いスパンでは
大事なことだと思う。
もちろん、味方になるには時間がかかる。
あと1ヶ月で死んでしまう人に、
そうは言っていられないのだけど…。
でもやっぱり敵なのと味方なのとでは、
物事は全然違う。
田口さんの文章、
ひきこもっている人の心情について
気づかされることの多い、とても良い内容だ。
ぜひ、一人でも多くの人に読んでもらいたい。
記事を読んで何か感じることがあれば、ぜひコメント欄にご意見やご感想をお寄せください。
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私も、田口ランディさんの本を読んだ記憶があります。
内容はあまり覚えていないのですが、
金子さんが書かれている事が
頭の中で浮かんできたので
多分同じ本ではないかと
思っています。
金子さんの書く文章からいつも
学ばせてもらっています
いつも楽しみにしています。
ありがとうございます!
とても嬉しいです。